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出会い


『生徒会長、白雪美姫さんの挨拶。』


一瞬で雑音が消え、みんな彼女の話を聞きたくて仕方ない事がわかる。


精蓮学園で生徒会長になる事は高校生にとっては憧れで、白雪美姫さんは歴代でも特にみんなから慕われてる。

誰にでも優しい…私の目標とする人だ。


『今日、わたくしは生徒会長を辞任します。

時期生徒会長の任命には生徒会規約の変更をする必要があり、発表が遅れました事をお詫び致します。

そして、時期生徒会長ですが、生徒会規約を変更してでもわたくしが任命したかった方が居ます。

1年2組、九条麗奈さん。

この校章と生徒手帳を受け取って頂けませんか?』





12月24日、早朝、駅のホーム…


『(今日頑張れば冬休みだ…)』


暗い顔をした1人の少女がいた…


『(あの人…精蓮学園の白雪姫かな?似てるけど…)』


『(私も…あの人みたいになれたのかな…)』


『(無理よね…私なんかが…)』




『真冬…肩貸して…』


『麗奈…大丈夫か?』


私は次の生徒会長に選ばれた…

本来なら二年生が引き継ぐのだが、生徒会長が私の事を推薦したらしい。


『あんな演説されたら断れないよ…』

『それに…私なんかが生徒会長なんて無理よ…』


『そんな事ない。あの生徒会長が麗奈になって欲しいって言ったんだ。私も麗奈の事応援してるから。』



少女は隣に居る2人が気になってしまっていた…

『(何の話してるんだろ?体調悪いのかな?)』




『あっ…』


『麗奈…大丈夫か?』


『うん…昨日からあまり食欲なくて…ちょっと立ちくらみしただけ…』


『ちょっと待ってて、飲み物買ってくる。』

『あっ…ごめんなさい…』


『(この制服…確かあいつらが居る高校の…)』

『いえ…私こそすみません…』


この日運命が…いや…もう決められていたのかも知れない…

【彼女との出会いを…】


…パタッ

『(何か落ちた…生徒手帳…?)』


『私がママの憧れの生徒会長みたいになるなんて無理だよ…』




『ママ?(あっ…)』

『えっ?…あっ…違うんです…

えっと…あの……』


『ふふっ…チョコしかないけど…食べられますか?

さっき食欲ないって聞こえて…』


小さい声で少女は鞄からチョコレートを3つ手渡してくれた。


『ありがとうございます…』


ドクンッ…


『(なんだろう…この感じ…)』

彼女の笑顔…その一瞬の笑顔が…


時が止まったような錯覚…

真っ暗だった彼女の顔が一瞬だけ、

眩しくて、暖かくて…

私の緊張と不安を消してくれていた…


『あとこれ、落ちてましたよ。』


『私の生徒手帳…』


『ありがとう…ございます。』

『あっあの!…(行っちゃった…)』


隣にいても気づかないような暗い女の子…でも彼女の笑顔だけが頭の中に焼き付いていた…


『(あっ…さっきの人…)麗奈…お待たせ…知り合い?』


『うぅん…知らない。でも…チョコ…貰っちゃった…』


『真冬…私、もう大丈夫だよ。』


『あの子と何かあったの?なんか元気になった気がするけど…』

『はい、これ。』


そう言って真冬は暖かい飲み物を渡してくれた…


『うぅん…何にもない…何にも…』


『私、頑張るよ。白雪姫にはなれないけど真冬となら近づけると思うの。』


『ちょっと待って私は生徒会には入れない…』

『電車来たよ』


『待って、私が生徒会に入ったら困るのは麗奈だろ?』


『そんなの昔の話でしょ?それに生徒会長の私

が任命したら誰も何も言わないよ!』


出発します。黄色い線から離れてーー


『そうだけど…(さっきの子…それにあいつら…まだあんな事…)』




私はこの出会いが……



守りたい人のためなら、



こんなにも簡単に……



人は変われるものだとは



知らなかった。


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