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ひとりじゃない昼休み

『結菜ちゃん、琴音ちゃん、お待たせ。』


扉が閉まると結菜はひよりに抱きついた…


『結菜ちゃん…』


『ひよりちゃん…ごめんね…私…』



空気を読まない琴音が不機嫌そうな態度で2人の再会を邪魔する…


『結菜ちゃん…その話、ご飯食べながら出来ないかな〜?』


『琴音ちゃん…空気よんでよ…』


『私は良いよ。私は良いけど…』


そう言って結菜に近寄って耳打ちした。

その後私を見る2人…


『してるね…』

『でしょ?』


『くふっ…』

堪え切れずに笑うひより。


続いて2人も笑い出す。


『何?私何かした?ねぇ、ひよりちゃん?』


『ふっ…麗奈さんが…そこ変われって怖い顔してるって…』


『酷い。そんな顔してないよ!』

『そりゃ…ちょっとは思ったけど…』


『まぁまぁ、食べましょ。』


そう言って結菜と琴音はソファーに座った。


麗奈もひよりの手を引いて2人の前に座る。


『結菜ちゃんはひよりちゃんのお友達だって聞いたから今日呼んだんだけど…』


『はい…私の唯一のお友達で…』


『ひよりさんは結菜を庇って桜台高校に入学したんですよね…』


『それは…』


『もう隠さなくて良いよ。』


ひよりはその言葉でみんなが全部知ってる事を理解した…


『聞いたよ…中学の時の事…私の為だったって…』


『それなのに、私がこっちに来ちゃったからひよりちゃんにまた辛い思いさせちゃったね…』


『結菜ちゃんだけは守りたかったのに…私が弱いから…ごめんね…』


『結菜ちゃん、琴音ちゃん…聞いて欲しい事があるの…』

『昨日、私はひよりちゃんの家に行ってある約束をしたの。』


そう言って胸ポケットからくまのストラップを取り出した。


『あっ…それ…』


琴音が何かに気づいて結菜と目が合う


『私、今日の帰りくらいからペア授業が終わるまで、ひよりちゃんに酷い事をいっぱい言わなきゃいけないの…』


潤んだ目でくまのストラップを見つめる麗奈。


『ひよりちゃんの机に飾ってあった2つのくまのストラップ…片方借りたんだけど…これを握ってる時は嘘ついてるって知ってて欲しいの。』


『ひよりちゃんにも伝えたけど…やっぱり、辛いから…誰かに知ってて欲しい…』


『麗奈さん、私たちはそんなのすぐわかりますよ。』


『そうです。精蓮学園の生徒会長は…友達の為に泣く事を知ってますから。』


ひよりは知らないうちに瞳から涙が溢れていた…


コンコンとノックする音が聞こえる。


『そろそろチャイムがなるから早く教室に戻りなさい。』


そして、涙を拭いた彼女たちは悟られないように教室へ戻って行った…





午後の授業も終わり、麗奈は覚悟を決めて右手にはくまのストラップ、片方はひよりと手を繋ぎ、玄関で待つ真冬たちと合流した。


『真冬、佐藤さんお待たせ。』


手からひよりの緊張が伝わる…


手を繋ぐ私たちを見て一瞬嫌そうな顔をした佐藤さん


『ひよりちゃんも途中まで同じ方向みたいだから一緒に帰ろうって無理矢理連れて来ちゃった!』


『じゃあ、帰ろうか。』


そう言って歩き出す真冬


しばらくするとすぐに分かれ道になった…


『ひよりちゃん、またね。』


ひよりは、最後にぎゅっと強く握ったあと離された右手から優しさを感じ、何も言えずに頷いて違う方向へ歩いて行った…


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