本当の想い
防音室を出ると少女は胸に手を当て震えながら泣いていた…
『(何やってるんだ私は…)』
『(私が守りたいものは彼女たちの笑顔のはずなのに…)』
『(麗奈のためにって決めたのに…)』
真冬は何も言わず少女に近づき肩に徽章を付けた。
そして少女の後ろに回った…
『そのままにして。徽章が見つかった証明が必要なんだ…』
頷く少女…
『(この角度なら私は映らない…徽章の反射は…こうすれば…)』
『画面に映る徽章を見て。』
カシャッ…
静かな音楽室にシャッター音が響く。
口元と徽章の映る画像…
頬から顎にかけて流れる雫…
真冬は反射するものを調べ、自分が写って無い事を確認するとすぐに送信ボタンを押し、少女に手渡した…
そして壊れそうな小さな身体を温めるように強く抱きしめ、優しく囁いた…
『大丈夫…大丈夫だから…』
鳴り響くチャイム…
下校のアナウンスが流れる…
「下校の時間になりました。生徒は速やかに下校してください。」
『怖がらせてごめんね…』
『私のやり方が間違ってたんだ…』
『(麗奈ならもっとうまくやってたんだろうな…)』
『詳しくは言えないが、私は白百合の会に行かないといけないんだ…』
『だから…教えてくれないか?』
先程の態度と真逆の…涙を流して懇願する彼女に困惑しながらも少女は頷いた…
そして着信が届いた…
【精蓮学園、1年1組白崎結菜。来月より桜台高校への転校を命ずる。】
画面を見た少女の肩の力が抜けたような気がした…
『真冬先輩…これからお話しできませんか?』
私は驚いたが、少しは信頼してくれたかと思うと嬉しかった。
『…じゃあ、私の家に来てくれないか?』
そうして2人は家路についた…




