■第77話:認識
異常は。
もう隠せなかった。
各戦場。
各国家。
同じ現象。
同じ結果。
そして。
同じ疑問。
これは何だ。
■アストリア魔導皇国
「……切り分ける」
リシェル・アストリアが言う。
「外部要因」
「内部要因」
「未知干渉」
一拍。
「消去法でいく」
計算。
検証。
再現。
だが。
消えない。
誤差。
「……外部」
一拍。
「干渉されている」
結論。
理が。
敗北した瞬間だった。
■グラディウス竜王国
「まだだ!」
ドラクスが吠える。
「押し切れ!!」
兵が応じる。
だが。
進まない。
一歩。
足りない。
「……誰か邪魔してやがるな」
初めて。
言葉にする。
「力じゃねぇ」
一拍。
「やり方だ」
■セラフィナ教皇国
「……確認」
エルミナが静かに言う。
「祈りの減衰」
「加護の不安定化」
一拍。
「原因」
沈黙。
「外部干渉」
結論。
「異端」
それだけだった。
■バルザーン帝国
「……各国の反応は」
ゼルハルトが問う。
「魔導、干渉を認識」
「竜、違和感を認識」
「宗教、異端認定」
一拍。
ゼルハルトは頷く。
「遅いな」
静かな評価。
「だが」
一拍。
「揃った」
側近が問う。
「何がですか」
ゼルハルトは答える。
「認識だ」
そして。
「次は“対象”を決める」
■中規模国家
「……レグナス」
レオナルトが呟く。
「あり得ない」
一拍。
「だが」
目を閉じる。
「説明がつく」
最悪の一致。
■ルナたち
「……広がった」
ルナが言う。
「全員、気づいた」
レオンが笑う。
「遅ぇな」
エリナが不安そうに言う。
「これ……どうなるの」
一拍。
ルナは答える。
「次は」
「誰かが決める」
一拍。
「敵にするかどうか」
■レグナス
「報告」
「各国、干渉認識」
「問題ない」
それだけ。
異常は。
共有された。
違和感は。
認識に変わる。
そして。
次に来るのは。
判断だ。
触れるか。
触れないか。
それが。
すべてを分ける。




