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■第66話:前兆

動きは。


 


 静かだった。


 


 


 だが。


 


 


 止まらない。


 


 


 


■アストリア魔導皇国


 


「前線、構築完了」


 


 


 報告が落ちる。


 


 


 


「転移陣、接続確認」


 


 


「観測魔術、展開」


 


 


 


 


 隙がない。


 


 


 


 


「……いいわ」


 


 


 リシェル・アストリアは頷く。


 


 


 


 


「干渉範囲を広げる」


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


「“見る”だけよ」


 


 


 

 


 


 


 


 


 まだ。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 動かない。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 準備は終わっている。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


■グラディウス竜王国


 


「進め」


 


 


 ドラクス・グラディウスが命じる。


 


 


 


 


 地鳴り。


 


 


 


 


 巨体が動く。


 


 


 


 


「止まるな」


 


 


 


 


 ただ前へ。


 


 


 


 


 単純。


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 圧倒的。


 


 


 


 


 


■セラフィナ教皇国


 


「聖域、展開」


 


 


 祈りが広がる。


 


 


 


 


「加護、付与」


 


 


 


 


 兵は静かに進む。


 


 


 


 


 


「……まだです」


 


 


 


 


 エルミナ・セラフィナは目を閉じる。


 


 


 


 


 


「時ではない」


 


 


 


 


 


 その言葉。


 


 


 


 


 


 何かを待っている。


 


 


 


 


 


中規模国家ベルグラード


 


「……距離を取れ」


 


 


 ガルディウス・ベルグラードは即座に命じる。


 


 


 


 


「三大国が接触する」


 


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


「巻き込まれるな」


 


 


 


 


 


 それだけ。


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 それが。


 


 


 


 


 


 最善だった。


 


 


 


 


 


■レグナス王国


 


「……全部来るな」


 


 


 カインが呟く。


 


 


 


 


「おいおい……」


 


 


 バルガスが笑う。


 


 


 


 


「三つだぞ?」


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


「関係ない」


 


 


 


 

 


 


 


 


 


 静かな声。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


「同じだ」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 視線は前。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


「揃うなら」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


「終わる」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 短い言葉。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 一方。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 アルディウス・レグナス。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


「……準備を」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


「はい」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


「問題ない」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 それだけだった。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 動きは静かだ。


 


 


 だが。


 


 


 


 止まらない。


 


 


 


 三大国。


 


 


 


 それぞれが。


 


 


 


 違う理由で動く。


 


 


 


 だが。


 


 


 


 行き着く先は。


 


 


 


 一つだった。


 


 


 


 


 レグナス。


 


 


 


 


 そして。


 


 


 


 


 その先にあるものを。


 


 


 


 


 誰もまだ知らない。



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