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最強だった俺は、もう戦わないと決めた ―辺境小国の宰相として大陸を制す―  作者: 竜太郎


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63/442

■第63話:余波

 静かに。


 


 広がっていた。


 


 


 報が。


 


 


 


 バルザーン帝国。


 


 


 


 敗北。


 


 


 


 その一言が。


 


 


 


 大陸を駆ける。


 


 


 


 


■ベルグラード王国(中規模)


 


「……確定か」


 


 


 ガルディウス・ベルグラードは報告書を閉じた。


 


 


 


「はい。バルザーン帝国、壊滅的損害」


 


 


 


 一拍。


 


 


 


「……あり得ん」


 


 


 


 低く呟く。


 


 


 


 合理の国。


 


 


 最適解を積み上げる国家。


 


 


 


 それが。


 


 


 


 負けた。


 


 


 


「……理由は」


 


 


 


「不明です」


 


 


 


 


 沈黙。


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 違う。


 


 


 


 


 “不明”ではない。


 


 


 


 


 分からないだけだ。


 


 


 


 


 


「……対象は」


 


 


 


 


「レグナス王国」


 


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


「……小国だ」


 


 


 


 


 


 そう言った。


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 言い切れなかった。


 


 


 


 


 


 


「……違うな」


 


 


 


 

 


 


 


 


 


 小さく呟く。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


「小国ではない」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 初めて。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 認識が変わる。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


■ルミナール連邦


 


「……撤退勧告を出しなさい」


 


 


 セレス・ルミナールは即答した。


 


 


 


「対象は」


 


 


 


「レグナス王国周辺すべて」


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


「関わるな」


 


 


 


 


 冷静な判断。


 


 


 


 


 利益にならない。


 


 


 


 


 それだけではない。


 


 


 


 


「……危険ですか」


 


 


 


 


 一瞬。


 


 


 


 


 


「……不明よ」


 


 


 


 

 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


「触れない方がいい」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 それで十分だった。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


■ヴァルハイン王国


 


「……負けただと?」


 


 


 レオナルト・ヴァルハインは拳を握る。


 


 


 


「バルザーンが?」


 


 


 


 


 信じられない。


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 事実だ。


 


 


 


 


「……ならば」


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


「我々が試す」


 


 


 


 

 


 


 


 


 


 騎士の国。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 誇りは、折れない。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 それが。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 何を意味するのか。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 まだ知らない。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


■エルディナ魔導王国


 


「……理論が崩れている」


 


 


 ミレイナ・エルディナは静かに呟く。


 


 


 


「あり得ない」


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 現実は起きている。


 


 


 


 


「……再計算」


 


 


 


 


 意味はない。


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 やるしかない。


 


 


 


 


 


■ラディウス聖国


 


「……神の御業ではない」


 


 


 フィオラ・ラディウスは目を閉じる。


 


 


 


「では何か」


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


「……分かりません」


 


 


 


 

 


 


 


 


 


 信仰では届かない。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 それが。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 初めてだった。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


■レグナス王国


 


「……報告は以上か」


 


 


 アルディウス・レグナスは問う。


 


 


 


「はい」


 


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


「……そうか」


 


 


 


 


 


 静かに頷く。


 


 


 


 


 


 


「問題ない」


 


 


 


 

 


 


 


 


 


 側近が顔を上げる。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


「……理由を」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


「勝ったからだ」


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 それだけだった。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 理解ではない。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 分析でもない。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 信頼。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 それが。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 すべてだった。


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 大陸は。


 


 


 まだ知らない。


 


 


 


 この敗北の意味を。


 


 


 


 だが。


 


 


 


 確実に。


 


 


 


 何かが変わった。


 


 


 


 そして。


 


 


 


 その変化は。


 


 


 


 止まらない。



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