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最強だった俺は、もう戦わないと決めた ―辺境小国の宰相として大陸を制す―  作者: 竜太郎


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45/442

第45話:動き出す四つ

帝国が止まった日。


 


 それは、終わりではなかった。


 


 


 ――始まりだった。


 


 


 


 情報は、一瞬で広がる。


 


 


 小国。


 


 中規模。


 


 そして。


 


 


 大国へ。


 


 


 


 その一つ。


 


 


 巨大な城。


 


 


 煙が立ち上る。


 


 


 鉄の匂い。


 


 


 油の音。


 


 


 


 ――バルザーン工業連邦。


 


 


 


「……帝国が止まった?」


 


 


 男が呟く。


 


 


 


 巨大な机。


 


 


 その上に広げられた地図。


 


 


 


「はい」


 


 


 部下が答える。


 


 


 


「レグナス王国」


 


 


「宰相カインによるものと」


 


 


 


 沈黙。


 


 


 


「……なるほどな」


 


 


 男は、小さく笑う。


 


 


 


「面白い」


 


 


 


 その目は。


 


 


 明らかに、興味を持っていた。


 


 


 


「規模は」


 


 


 


「中規模相当まで拡張」


 


 


 


「内部統制も確認」


 


 


 


 


「……化け物だな」


 


 


 


 だが。


 


 


 


「潰せる」


 


 


 


 即答だった。


 


 


 


 


「理由は」


 


 


 


 


「単純だ」


 


 


 


 


 


 一歩、地図に近づく。


 


 


 


 


 


「構造が見える」


 


 


 


 


 


 


 合理の国。


 


 


 


 


 


 


 それが、バルザーン。


 


 


 


 


 


 


「なら」


 


 


 


 


 


 


「壊せる」


 


 


 


 


 


 


 


 一方。


 


 


 


 


 


 


 


 別の地。


 


 


 


 


 


 


 


 静寂。


 


 


 


 


 


 


 


 風が流れる。


 


 


 


 


 


 


 


 


 ――アストリア魔導皇国。


 


 


 


 


 


 


 


「……帝国が?」


 


 


 


 


 


 


 


 女が呟く。


 


 


 


 


 


 


 


 


「はい」


 


 


 


 


 


 


 


「崩壊ではなく」


 


 


「停止です」


 


 


 


 


 


 


 


 


「……面白いわね」


 


 


 


 


 


 


 


 微笑む。


 


 


 


 


 


 


 


 


「理で動く者」


 


 


 


 


 


 


 


 


「なら」


 


 


 


 


 


 


 


 


「理で崩せる」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 一方。


 


 


 


 


 


 


 


 山岳地帯。


 


 


 


 


 


 


 


 轟音。


 


 


 


 


 


 


 


 巨大な影。


 


 


 


 


 


 


 


 


 ――グラディウス竜王国。


 


 


 


 


 


 


 


「……帝国が負けた?」


 


 


 


 


 


 


 


 男が笑う。


 


 


 


 


 


 


 


 


「なら俺がやる」


 


 


 


 


 


 


 


 


「力で潰す」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 一方。


 


 


 


 


 


 


 


 神殿。


 


 


 


 


 


 


 


 静かな祈り。


 


 


 


 


 


 


 


 


 ――セラフィナ教皇国。


 


 


 


 


 


 


 


「……新たな“導き”ですね」


 


 


 


 


 


 


 


 老人が呟く。


 


 


 


 


 


 


 


 


「この者は」


 


 


 


 


 


 


 


 


「神の意志に背くか」


 


 


 


 


 


 


 


 


「それとも――」


 


 


 


 


 


 


 


 


 微笑む。


 


 


 


 


 


 


 


 


「試されているか」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 そして。


 


 


 


 


 


 


 


 レグナス。


 


 


 


 


 


 


 


「……来るな」


 


 


 


 


 


 


 


 小さく呟く。


 


 


 


 


 


 


 


 


「わかるのか」


 


 


 


 


 


 


 


 バルガスが問う。


 


 


 


 


 


 


 


 


「ああ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 短く答える。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「全部来る」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 四大国。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 同時に。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……まじかよ」


 


 


 


 


 


 


 


 バルガスが笑う。


 


 


 


 


 


 


 


 


「いいじゃねぇか」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「問題ない」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 静かに言う。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「むしろ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「好都合だ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 その言葉。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……どういう意味だ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「動かせる」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 短い言葉。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「全部」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 静寂。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 そして。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 バルガスが笑う。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……やっぱ狂ってるわ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「ああ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 否定しない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 帝国は終わった。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 本当の戦いは。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 ここからだった。



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