表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強だった俺は、もう戦わないと決めた ―辺境小国の宰相として大陸を制す―  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
368/442

第370話「ジョーカーの噂」

アルカディア帝国の最精鋭、大陸の力の天井と称される「ジョーカー騎士団」。その第三席を務める重騎士のレオンは、帝都の兵舎で自身の漆黒の鎧を磨いていた。

「レオン様、次の任務地が変更となりました。東部国境ではなく、急遽南方の反乱鎮圧へ向かえとのことで」

部下が慌ただしく持ってきた指令書を、レオンは一瞥した。

「……またレグナス国境から遠ざけられたか」

レオンの声には、隠しきれない苛立ちが混じっていた。ジョーカー騎士団は、その名前が戦場に響くだけで敵が潰走する、言わば国家の災害兵器である。本来であれば、近年不気味な安定を見せるレグナス王国に対し、最大の圧力をかけるために国境へ配置されるはずだった。

しかし、過去二年にわたり、彼らがレグナス国境へ近づこうとするたびに、必ず別の場所で「緊急性の高い事件」が発生し、進路を阻まれてきた。ある時は帝都の暴動、ある時は南方の干ばつによる一揆。すべては偶然の災害に見える。

だが、その発生のタイミングは、まるでジョーカー騎士団の動きを完全に予知し、レグナスから意図的に遠ざけているかのようだった。

「我々が出陣すれば、どのような国であれ一戦で灰にできる。だが……」

レオンは磨き終えた大剣を見つめた。戦う機会すら与えられず、ただ名前の圧力を温存されたまま、世界の均衡装置として別の場所で消費されている。レグナスの外側で、この最強の騎士団すらも「事件の駒」として配置をコントロールしている見えない意志に、レオンは激しい屈辱と、それ以上の恐怖を覚えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ