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第343話「報告書の重さ」
局に戻ったのは昼を過ぎた頃だった。
リオは報告書を提出した。共同街道局の受付係が受け取って、束に加えた。特に何も言わなかった。
「お帰り。何かあったか」
局長のトベムが通りかかって声をかけた。
「特には。グランデル谷集落の実態調査です」
「どうだった」
「小さな集落でした。でも、しっかりした暮らしがありました」
「そうか」
それだけ言って、トベムは自分の執務室に戻っていった。
リオは自分の席に座った。
旅の間ずっと気になっていたことがある。あの村の村長が言っていた言葉だ。若い者が出て行かなくなった。
報告書にはそのことを書かなかった。数字ではないから。
でもきっと、どこかに残るべき情報だとリオは思う。
引き出しから白紙を出した。報告書とは別に、気づいたことを書き留めておこうと思った。
何枚になるかわからない。
でも、書いておきたかった。




