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第342話「業務量の変化」
「去年より仕事が増えた気がする」
地方の役人カドルがそう言ったのは、昼休みのことだった。
同僚のフィアスが書類の束を抱えながら通りかかった。
「気がするじゃなくて、実際増えてる。俺も数えた」
「何が増えた?」
「申請書類。街道関係と、宿の営業許可と、それから……」
フィアスは少し考えた。
「新しい集落からの届け出だ。去年まで無かったやつ」
「新しい集落?」
「地図にも載ってないような場所から、人が届けに来るんだ。最近急に増えた」
カドルは首をひねった。
「なんでまた」
「さあ。届け出た方が得だとわかったんじゃないか」
それとも、届け出ろと言う誰かがいたのか。
フィアスはそこまで言わなかった。書類の束が重そうだったから、廊下の角を曲がっていった。
カドルは一人、しばらくそのことを考えた。
去年まで地図に載っていなかった場所が、今年は届け出を出している。
その理由が何なのか、カドルにはわからなかった。




