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第341話「使節の目」
アルカディアの使節一行がレグナスの宿に入ったのは、夕方のことだった。
従者のベイムは荷物の整理をしながら、窓の外を見ていた。
街の様子が、半年前に来た時と少し違う。
うまく説明できない違いだ。
建物が増えたわけでもない。人が増えたわけでもない。ただ、街の動きが少し滑らかになった気がする。荷馬車の流れが前より整然としている。路地の泥が、以前ほど深くない。
「どうした」
同じ部屋の先輩従者が声をかけた。
「いえ。この街、少し変わりましたね」
先輩は窓の外を一瞥した。
「そうか? 俺にはわからん」
「半年前と比べると……」
「半年前なんか覚えてないよ」
そう言って先輩は横になった。
ベイムは窓の外を見続けた。
何が変わったのかは言葉にならない。ただ、何かが変わっていることだけはわかった。
その変化がどこから来たのか、ベイムには見当もつかなかった。




