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第335話「飛行後の沈黙」
長距離飛行訓練の後、竜騎兵たちは無言だった。
疲れているのではない。
ただ、静かだった。
以前と違う種類の静けさだった。
以前の沈黙は、消耗だった。
怒鳴られた後の静けさ。
失敗を反省する静けさ。
今は違う。
飛んだことを、まだ体の中に持っている感じだった。
セルは竜の背から降りて、しばらくそのままでいた。
竜も動かなかった。
並んで立っていた。
ドナルが通りかかった。
何も言わなかった。
ただ、二人を見て、少し頷いた。
それだけだった。
セルはその意味を考えた。
よかった、という意味かもしれない。
そういうものだ、という意味かもしれない。
分からなかった。
でも悪い意味ではないと思った。
竜が鼻を鳴らした。
セルは手を当てた。
今日の飛行は、長かった。
でも疲れではなく、何か別のものが残っていた。
それがなんなのか、まだ言葉にならなかった。




