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第33話:広がりすぎた国

地図は、変わった。


 


 小国は消え。


 


 色は一つに塗り替えられている。


 


 


 ――レグナス王国。


 


 


 だが。


 


 


「……広すぎるな」


 


 


 バルガスが呟く。


 


 


 


「そうだな」


 


 


 


 短く答える。


 


 


 


 


 支配はできている。


 


 


 だが。


 


 


 


「回っていない」


 


 


 


 


 報告書を置く。


 


 


 


 


「物流の遅延」


 


「人員不足」


 


「地方の不満」


 


 


 


 


 問題が積み上がっている。


 


 


 


 


「……そりゃそうだ」


 


 


 


 


 バルガスが苦笑する。


 


 


 


 


「一気に広げすぎだ」


 


 


 


 


 


「必要だった」


 


 


 


 


 


 否定はしない。


 


 


 


 


 


 


「だが」


 


 


 


 


 


 


「整っていない」


 


 


 


 


 


 


 それが現実だ。


 


 


 


 


 


 


 


「どうする」


 


 


 


 


 


 


 バルガスが問う。


 


 


 


 


 


 


 


「切るか?」


 


 


 


 


 


 


 


 領土の一部を捨てる。


 


 


 


 


 


 


 


 合理的な選択。


 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 


 


「しない」


 


 


 


 


 


 


 


 即答。


 


 


 


 


 


 


 


「全部持つ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 それが前提だ。


 


 


 


 


 


 


 


 


「……じゃあどうする」


 


 


 


 


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


 


 


 


「任せる」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……は?」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「地方ごとに」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「管理を分ける」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 中央で全部は見ない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「人が足りねぇぞ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「いる」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 短く言う。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「すでに取り込んだ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 理解する。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……あいつらか」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 元小国の人間。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「ああ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「使う」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 それが、最短だ。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 その時だった。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「報告!」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 兵が駆け込む。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「西方地区にて暴動発生!」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「原因は?」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「文化衝突です!」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 静寂。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……来たか」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 小さく呟く。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 当然だ。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 国が違えば。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 価値観も違う。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「行くぞ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 現地。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 人がぶつかっている。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 言葉が通じない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 価値観が違う。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……止まれ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 声を落とす。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 止まらない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……効かないな」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「当然だ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 これは恐怖でも。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 合理でもない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「感情だ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 最も扱いにくい。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……どうする」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 バルガスが問う。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「分ける」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……は?」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「無理に混ぜない」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「地域ごとに分ける」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 管理を変える。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「それで解決するか?」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「しない」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 即答。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「だが」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「止まる」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 それでいい。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 完全な解決はない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 制御はできる。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……ほんとに」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 バルガスが苦笑する。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「戦わねぇな」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「ああ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 静かに答える。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 簡単ではない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 国は広がった。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 だが。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 それだけでは、終わらない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「……次だ」


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 問題は、まだある。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 むしろ。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 ここからが、本番だった。



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