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最強だった俺は、もう戦わないと決めた ―辺境小国の宰相として大陸を制す―  作者: 竜太郎


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第311話:掲示板の前の議論

■アルカディア魔導皇国


昼。


掲示板の前に数人の住民が集まっていた。


きっかけは新しい議事録だった。


地方支援。


街道整備。


備蓄配分。


いつもの内容だ。


だが今日は少し違った。


「この予算は少ないだろ」


商人が言う。


老人が首を振る。


「街道の方が先だ」


若い母親も口を開く。


「備蓄も必要です」


意見は割れていた。


だが怒鳴り合いにはならない。


皆、同じ紙を見ている。


同じ情報を読んでいる。


だから話ができる。


少し離れた場所で若い職員が様子を見ていた。


上司が隣へ来る。


「揉めてますね」


「議論してるだけだ」


短い返答。


職員はもう一度広場を見る。


確かにそうだった。


以前は噂だった。


今は議論になっている。


小さな違いだった。


だが大きな違いでもあった。


■最後


情報は人を納得させるとは限らない。


だが話し合う土台にはなっていた。


(次話へ)


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