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最強だった俺は、もう戦わないと決めた ―辺境小国の宰相として大陸を制す―  作者: 竜太郎


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第310話:竜舎の夕暮れ

■ドラグナール竜騎帝国・第七竜騎団


夕暮れ。


竜舎には穏やかな空気が流れていた。


整備兵たちが一日の作業を終えている。


竜たちも落ち着いていた。


餌を食べ終えた若い竜が、ゆっくりと翼を畳む。


整備兵の少年がその首筋を撫でた。


昔なら叱られたかもしれない。


今は違う。


無理に近付かなければ問題ない。


竜の性格を知ることも仕事の一部になっていた。


古参教官が通り掛かる。


少年は少し緊張した。


だが教官は何も言わない。


竜の様子を見る。


少年の様子も見る。


そして一言だけ。


「機嫌が良さそうだな」


それだけだった。


教官は去っていく。


少年は少し驚いた。


隣の整備兵が笑う。


「最近はああなんだ」


竜舎の外では夕日が沈み始めていた。


赤い光が鱗を照らしている。


戦うための生き物。


だが同時に、生きている存在でもあった。


■最後


理解することは甘やかすことではない。


それもまた、共に飛ぶための準備だった。


(次話へ)


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