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最強だった俺は、もう戦わないと決めた ―辺境小国の宰相として大陸を制す―  作者: 竜太郎


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第307話:読まれた質問

■アルカディア魔導皇国


昼。


地方庁舎の掲示板。


一人の老人が質問欄を眺めていた。


その横で若い母親が立ち止まる。


さらに旅商人も足を止めた。


貼り出されていたのは一枚の質問だった。


「なぜ支援は地方によって違うのですか」


よくある内容だった。


回答も特別ではない。


人口。


孤立度。


備蓄。


輸送路。


複数の条件が並んでいる。


老人が頷いた。


「全部同じじゃないからか」


旅商人も紙を見る。


「分かりやすくなったな」


派手な反応はない。


拍手もない。


だが以前なら見向きもされなかった。


若い職員は少し離れた場所から様子を見る。


上司が声を掛けた。


「どうした」


「読まれてます」


短い返答。


上司は笑う。


「そうだな」


掲示板の前には人が残っていた。


紙の前で話す者もいる。


質問と回答が会話のきっかけになっていた。


■最後


説明は紙の上で終わらない。


人が話し始めた時、それは少しだけ根を張る。


(次話へ)


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