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第302話:夕食の時間
■ドラグナール竜騎帝国・第七竜騎団
夕刻。
訓練を終えた竜騎兵たちが食堂へ集まっていた。
焼きたての黒パン。
温かい煮込み。
大鍋から立ち上る湯気。
以前の第七竜騎団では珍しい光景だった。
演習が長引けば食事は後回し。
空腹のまま整備へ向かうこともあった。
今は違う。
まず食べる。
まず休む。
そして明日に備える。
若い竜騎兵が椅子へ腰掛ける。
「昔はこんな感じじゃなかったんですか」
向かいの古参兵が笑った。
「全然違う」
周囲も笑う。
「飯を食う暇があるなら飛べって時代だ」
「本当ですか」
「本当だ」
食堂に笑い声が広がる。
窓の外では竜たちも餌を食べていた。
以前より落ち着いている。
暴れる個体も減った。
古参兵はスープを飲みながら言う。
「でもな」
若い兵が顔を上げる。
「今の方が好きだ」
静かな言葉だった。
誰も茶化さない。
否定もしない。
食堂には温かな空気だけが残った。
■最後
戦うために生きる者たちもいる。
だが生きるために戦う者たちもいた。
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