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第298話:記録される失敗
■ドラグナール竜騎帝国・軍務局
報告書。
その中に珍しい項目があった。
「演習失敗例」
若い文官が聞く。
「残すんですか」
上官は頷いた。
「残す」
以前なら消された。
失敗は恥だった。
だが今は違う。
失敗から学ぶ。
繰り返さない。
そのために記録する。
昼。
古参教官が資料を見る。
少し黙る。
やがて小さく言った。
「便利な時代だな」
若い文官は笑った。
「不便も増えました」
紙は厚くなる。
仕事も増える。
だが事故は減る。
それだけの価値はあった。
■最後
成功だけでは人は学べない。
失敗もまた、未来を支える記録だった。
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