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第296話:地図の余白
■共同街道局
巨大な地図。
橋。
宿。
街道。
売店。
印が増えている。
若い係官は地図を眺めていた。
「埋まってきましたね」
上司は首を振る。
「まだだ」
指差した先。
余白だった。
小さな村。
山道。
名もない集落。
記録の少ない場所。
まだ世界は広い。
まだ見えていない場所も多い。
昼。
新しい報告が届く。
聞いたこともない村の名前だった。
係官は地図へ印を付ける。
小さな点。
それだけだった。
■レグナス
カイルが資料を見る。
「終わりませんね」
ヴェルドは頷いた。
「世界が広いので」
窓の外。
街道には今日も馬車が走っていた。
■最後
地図が埋まることはない。
だから人は少しずつ印を増やしていく。
そんな地道な作業が今日も続いていた。
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