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第289話:雨の日の広場
■ベルノ地方北端
朝から雨だった。
避難灯の下。
作りかけのベンチは濡れている。
広場には誰もいない。
そう思われた。
昼。
老人が一人。
灯の下へ来る。
しばらくして若者も来る。
さらに子供たち。
雨宿りだった。
完成していないベンチ。
十分ではない灯。
それでも人は集まる。
若者が言う。
「屋根も欲しいな」
老人が笑う。
「要望書が増えるぞ」
子供たちも笑った。
村長は遠くから眺める。
以前なら雨の日は家に籠もった。
今は違う。
少しだけ集まる理由がある。
■最後
発展は完成から始まらない。
不十分な場所にも、人は少しずつ集まり始める。
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