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第280話:宿の隣
■橋の先の宿
夕方。
宿屋の主人が外を見る。
客は増えていた。
部屋も足りない。
帳簿も厚くなった。
その隣。
空き地に杭が打たれている。
若い職人が言う。
「何作るんです」
主人は笑った。
「店だ」
旅人向けの小さな売店。
食料。
道具。
雨具。
大きな店ではない。
だが橋が残ったから考えられる話だった。
夜。
共同街道局へ報告が届く。
「宿周辺開発予定」
係官が記録する。
橋。
宿。
店。
少しずつ繋がっていく。
■レグナス
カイルが報告を読む。
「本当に店になりましたね」
ヴェルドは静かに笑う。
「人が集まれば、次が生まれます」
窓の外では馬車が通り過ぎていった。
■最後
発展は派手ではない。
宿の隣に店が建つ。
そんな小さな変化が、世界を少しずつ前へ進めていた。
(次話へ)




