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第279話:保留という答え
■アルカディア魔導皇国
会議室。
地方支援案。
追加備蓄案。
街道予算案。
結論は出なかった。
若い官僚が言う。
「保留ですか」
上司は頷く。
「保留だ」
以前なら失敗だった。
決められない会議。
弱い判断。
そう呼ばれた。
今は違う。
判断材料不足。
現地確認待ち。
数字不足。
なら決めない。
それも一つの判断だった。
夕刻。
リュミエールは報告書を読む。
そして静かに頷く。
「急いで間違えるより良いですね」
短い言葉。
だが会議の空気は少し変わった。
■最後
決断は重要だった。
だが決めない勇気もまた必要だった。
国は少しずつ、その使い分けを覚えていた。
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