274/442
第275話:答えを急がない会議
■アルカディア魔導皇国
会議室。
地方支援。
街道予算。
備蓄計画。
議題は多い。
意見も割れる。
若い官僚が言う。
「今日決めますか」
上司は首を振った。
「急がない」
部屋が静まる。
以前なら違った。
早く。
強く。
確実に。
そういう空気だった。
今は違う。
一晩置く。
別資料を見る。
地方の声も確認する。
時間はかかる。
だが間違いは減る。
夕刻。
リュミエールは報告を聞き、頷いた。
「考える時間も必要です」
静かな言葉だった。
■最後
速さは力だった。
だが慎重さもまた力だった。
国は少しずつ、その両方を使い始めていた。
(次話へ)




