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最強だった俺は、もう戦わないと決めた ―辺境小国の宰相として大陸を制す―  作者: 竜太郎


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第274話:昔の英雄

■ドラグナール竜騎帝国・地方都市


酒場。


壁には古い絵が掛かっていた。


竜に乗る英雄。


傷だらけの騎兵。


若い隊長はそれを見ていた。


古参教官が隣へ座る。


「憧れたか」


隊長は少し考える。


「今でも格好良いと思います」


教官は笑う。


「俺もだ」


短い沈黙。


酒場は静かだった。


「でも」


隊長が続ける。


「今の兵には帰ってきてほしいんです」


教官は返事をしない。


ただ絵を見る。


昔の英雄。


帰らなかった者も多い。


しばらくして教官が呟いた。


「贅沢な時代になったな」


否定ではなかった。


少し寂しそうでもあった。


■最後


強さの形は変わる。


だが昔の憧れもまた消えはしなかった。


(次話へ)


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