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第269話:返事待ちの掲示板
■ベルノ地方北端
役場の壁。
新しい紙が貼られていた。
「提出済み要望」
避難灯。
ベンチ。
倉庫屋根。
その横には空欄。
「返答」
まだ何も書かれていない。
若者が苦笑する。
「真っ白だな」
村長は頷く。
「そうだな」
だが剥がさない。
隠さない。
出したこと。
待っていること。
全部見えるようにする。
老人が言う。
「返事来るかな」
村長は少し考えた。
「来なくても貼る」
短い返答。
村人たちは静かに頷いた。
■最後
待つこともまた前進だった。
見える待機は、人を少しだけ落ち着かせる。
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