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■第129話:戦場の外から見たもの

■他視点:中規模国家・前線将校


 


 戦場に。


 


 立っている。


 


 


 だが。


 


 


 戦いが。


 


 


 理解できない。


 


 


 


「前進」


 


 命令を出す。


 


 


 兵は動く。


 


 


 だが。


 


 


 止まる。


 


 


 


 三拍。


 


 


 


 その間に。


 


 


 血が出る。


 


 


 


「……またか」


 


 


 誰も驚かない。


 


 


 


 それが。


 


 


 一番おかしい。


 


 


 


 普通なら。


 


 


 混乱する。


 


 


 叫ぶ。


 


 


 


 だが。


 


 


 誰も叫ばない。


 


 


 


 ただ。


 


 


 受け入れている。


 


 


 


「隊形維持」


 


 


 命令を出す。


 


 


 


 兵は従う。


 


 


 


 だが。


 


 


 目が死んでいる。


 


 


 


「……なんだこれは」


 


 


 思わず漏れる。


 


 


 


 戦いではない。


 


 


 


 訓練でもない。


 


 


 


 事故でもない。


 


 


 


 理由が。


 


 


 存在しない。


 


 


 


「……報告を上げろ」


 


 


 副官に言う。


 


 


 


「何をですか」


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 答えられない。


 


 


 


「……異常だと」


 


 


 


「具体的には」


 


 


 


 言葉が出ない。


 


 


 


 何が起きているのか。


 


 


 


 説明できない。


 


 


 


「……いい」


 


 


 手を振る。


 


 


 


 無駄だと分かる。


 


 


 


 上は理解しない。


 


 


 理解できない。


 


 


 


 だから。


 


 


 “なかったことになる”。


 


 


 


「……撤退だ」


 


 


 小さく言う。


 


 


 


 誰にも聞かれないように。


 


 


 


 兵は。


 


 


 少しだけ安堵する。


 


 


 


 戦いから離れられる。


 


 


 


 理由は分からないまま。


 


 


 


 だが。


 


 


 問題は終わらない。


 


 


 


 どこに行っても。


 


 


 同じだからだ。


 


 


 


「……どこも同じか」


 


 


 空を見る。


 


 


 


 何もない。


 


 


 


 だが。


 


 


 


 確実に。


 


 


 


 何かがいる。


 


 


■戦場外(同国家・後方都市)


 


「前線からの報告は?」


 


 


 役人が問う。


 


 


 


「異常なし、とのことです」


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 違和感。


 


 


 


「……本当か?」


 


 


 


「はい、統制は維持されています」


 


 


 


 安心する。


 


 


 理解できる言葉だから。


 


 


 


 だが。


 


 


 それは嘘だ。


 


 


 


 前線は壊れている。


 


 


 だが。


 


 


 言葉が追いついていない。


 


 


■レグナス(上層)


 


「外部」


 


 


 ミレアが言う。


 


 


 


「各国、戦闘継続」


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 カイルが顔をしかめる。


 


 


 


「……あれで?」


 


 


 


「維持はしている」


 


 


 ヴェルドが答える。


 


 


 


 一拍。


 


 


 


「だが」


 


 


 


「意味はない」


 


 


■分析


 


 戦っている。


 


 


 だが。


 


 


 戦いになっていない。


 


 


 


 それでも。


 


 


 止まらない。


 


 


■他視点まとめ


 


 現場は。


 


 


 壊れていると知っている。


 


 


 


 上は。


 


 


 壊れていないと思っている。


 


 


 


 そのズレが。


 


 


 広がっている。


 


 


■ルナたち


 


「……外から見ると分かるね」


 


 


 ルナが言う。


 


 


 


「壊れてる」


 


 


 


 レオンが笑う。


 


 


 


「でも止まらねぇ」


 


 


 


 エリナが小さく言う。


 


 


「……なんで」


 


 


 


 一拍。


 


 


 


 ルナが答える。


 


 


 


「止める理由がないから」


 


 


■最後


 


 戦争は。


 


 続く。


 


 


 壊れながら。


 


 


 


 理解されないまま。


 


 


 


 そのまま。


 


 


 


 崩れていく。


 


 



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