■第123話:噂の使い方
戦いは。
続いている。
だが。
戦場の外で。
別の戦いが始まっていた。
■中規模国家(会議)
「覇断騎士団」
将がその名を出す。
一拍。
場の空気が重くなる。
■利用①(威圧)
「噂を流せ」
淡々とした命令。
「我が国は接触したとな」
一拍。
「……よろしいのですか」
■意図
「問題ない」
将が言う。
「相手は疑う」
一拍。
「それで十分だ」
■結果
噂が増える。
歪む。
強化される。
真実ではない。
だが。
効く。
■別の国(軍議)
「覇断騎士団を見た者がいるらしい」
報告。
「どこの話だ」
一拍。
「不明です」
■利用②(牽制)
「……流せ」
将が言う。
「我が国にも接触があったとな」
一拍。
「抑止になる」
■拡散
同じ嘘。
別の国でも。
繰り返される。
誰も確認しない。
だが。
広がる。
■小国
「覇断騎士団が味方らしいぞ」
兵が言う。
「本当か?」
一拍。
「分からん」
だが。
信じる。
■効果
戦わない理由になる。
逃げる理由にもなる。
恐怖が。
行動を変える。
■観戦国
「各国が同じことを言っている」
将が言う。
「覇断騎士団と接触したと」
一拍。
「……嘘だな」
■見抜き
「だが」
別の将が言う。
「一つだけ本物が混ざっている」
一拍。
空気が重くなる。
■バルザーン帝国
「各国が勝手に使っています」
報告。
「覇断騎士団の名」
一拍。
「放置でいい」
短い返答。
■理由
「恐怖は広がる」
淡々とした声。
「それで十分だ」
■ヴァルハイン
「噂が操作されています」
参謀が言う。
「覇断騎士団」
一拍。
「各国が利用」
■理解者
「……違うな」
低い声。
一拍。
「これは結果だ」
「原因ではない」
■進展
少しだけ。
近づく。
だが。
まだ届かない。
■レグナス(上層)
「外部」
ミレアが言う。
「噂、戦略利用開始」
一拍。
カイルが苦く笑う。
「……歪んでますね」
ヴェルドが答える。
「当然だ」
■分析
「理解できないものは」
ヴェルドが続ける。
「利用される」
一拍。
「それが人間だ」
■ルナたち
「……使い始めたね」
ルナが言う。
「恐怖を」
レオンが笑う。
「でも意味ねぇ」
エリナが小さく言う。
「……なんで?」
一拍。
ルナが答える。
「違うから」
■最後
噂は。
武器になる。
だが。
真実ではない。
だから。
止められない。
本当の崩壊は。
まだ。
そこにある。




