■第124話:観測開始
戦いは。
続いている。
だが。
初めて。
“止めるための動き”が始まった。
■魔導国家(中枢)
「報告をまとめろ」
静かな声。
机の上に。
複数の資料が並ぶ。
■資料
・戦線消失
・停止現象
・遅延
・被害のズレ
共通点がある。
だが。
説明できない。
■研究官
「……通常の魔導ではありません」
低く言う。
一拍。
「因果の順序が崩れています」
■違和感
「結果が先に出ている」
別の者が言う。
「過程が存在しない」
一拍。
沈黙。
■結論未満
「……未知です」
それしか言えない。
だが。
ここまでは来た。
■上層
「対応は」
重い声。
一拍。
「観測を強化します」
■決定
「許可する」
短い返答。
「戦闘は禁止だ」
一拍。
「接触も最小限」
■意味
つまり。
“見るだけ”。
まだ。
介入しない。
■内部
「……動くのか」
誰かが呟く。
一拍。
「観測騎士団」
■反応
その名で。
空気が変わる。
恐怖ではない。
緊張でもない。
“確定”に近い何か。
■別室
暗い部屋。
誰かが座っている。
目を閉じている。
何もしていない。
だが。
周囲の空間が。
歪んでいる。
■一言
「……観る」
それだけ。
空気が変わる。
■ヴァルハイン
「魔導国家が動きました」
報告。
「観測騎士団」
一拍。
レオナルトが頷く。
■理解者側
「……当然だ」
低く言う。
「このままでは」
一拍。
「戦争が成立しない」
■接近
初めて。
“止める側”が。
本気で近づく。
だが。
まだ。
触れない。
■レグナス(上層)
「外部」
ミレアが言う。
「観測開始」
一拍。
カイルが息を吐く。
「……来ましたね」
ヴェルドが答える。
「遅い」
■分析
「だが」
ヴェルドが続ける。
「まだ届かない」
■ルナたち
「……来るね」
ルナが言う。
「観るやつら」
レオンが笑う。
「でもさ」
一拍。
「無理だろ」
エリナが小さく言う。
「……止められるの?」
ルナは。
静かに首を振る。
■最後
世界は。
初めて。
“見る側”を動かした。
だが。
それでも。
届かない。
本当の原因には。
まだ。
誰も触れていない。




