■第121話:名だけの影
戦いは。
終わっていない。
だが。
続ける意味が。
分からなくなっていた。
■グラディア本陣
「……あれは何だ」
将が低く言う。
「戦線消失の原因」
一拍。
「……不明です」
■沈黙
誰も言わない。
言えない。
だが。
分かっている。
“あれ”は。
普通ではない。
■参謀
「……可能性として」
一人が口を開く。
一拍。
「4大国の……」
言葉を止める。
■禁句
その場の空気が。
凍る。
誰も続きを言わない。
「……やめろ」
将が遮る。
■否定
「確証がない」
短く言う。
「軽々しく口にするな」
一拍。
だが。
否定できていない。
■認識(小さな揺れ)
誰も言わない。
だが。
全員の頭に浮かぶ。
“あの名前”。
「……」
■フェルス側
「追撃は?」
副官が問う。
一拍。
「中止だ」
即答。
理由は言わない。
だが。
全員が納得する。
■観戦国
「戦線が消えたらしいな」
将が言う。
「誇張だろう」
一拍。
「そんなことがあるか」
笑う。
まだ軽い。
■一部の上層
「……いや」
別の将が呟く。
「もし本当なら」
一拍。
言葉が続かない。
■名前(初出)
「……覇断騎士団か」
小さく。
誰にも聞こえない声で。
その名が出る。
■反応
周囲は気づかない。
だが。
言った本人だけが。
理解している。
“終わりの名前”だと。
■ヴァルハイン
「……来たか」
レオナルトが言う。
一拍。
「やはりな」
■理解者側
「二度の接触」
参謀が言う。
「外部崩壊」
一拍。
「そしてあれ」
視線が揃う。
■仮説の進化
「……繋がっている」
誰かが言う。
一拍。
「可能性が高い」
■まだ未確定
だが。
言い切れない。
証明できない。
だから。
まだ“仮説”。
■レグナス(上層)
「外部反応」
ミレアが言う。
「一部で名称言及」
一拍。
カイルが呟く。
「……広がりますか」
ヴェルドが答える。
「ゆっくりだ」
■分析
「恐怖は広がる」
ヴェルドが続ける。
「だが理解は遅い」
一拍。
「だから止まらない」
■ルナたち
「……名前出たね」
ルナが言う。
「一人だけ」
レオンが笑う。
「十分だ」
エリナが小さく言う。
「……怖い名前」
■最後
戦いは。
続く。
崩れながら。
止まらないまま。
ただ一つ。
変わった。
名前が。
出た。
それだけで。
世界は。
少しだけ。
静かになった。




