■第120話:余波
戦いは。
終わっていた。
だが。
終わり方が。
普通ではなかった。
■戦場跡
地面が抉れている。
いや。
違う。
“消えている”。
削られたのではない。
存在ごと。
抜け落ちている。
「……なんだこれ」
■生存兵
「見たか……?」
兵が震える。
「一瞬で……」
一拍。
「全部消えた」
■認識
戦いではない。
勝敗でもない。
ただ。
“処理された”。
「……無理だ」
■グラディア本陣
「被害報告」
参謀が言う。
「戦線一部、消失」
一拍。
将が黙る。
「……誰だ」
「不明です」
■結論
「……4大国か」
低く呟く。
一拍。
否定できない。
理解もできない。
■フェルス側
「追撃中止!」
命令が飛ぶ。
「全軍停止!」
一拍。
誰も逆らわない。
さっきの“それ”を。
見ているからだ。
■観戦国
「……今のは何だ」
将が呟く。
一拍。
「説明できるか?」
「……不可能です」
■評価の崩壊
「……戦争ではないな」
誰かが言う。
一拍。
否定されない。
初めて。
評価が崩れる。
■バルザーン帝国(戦略部)
「報告」
「ジョーカー出動、確認」
一拍。
重い沈黙。
「……そこまでか」
■変化
「対象は」
「外部戦線」
一拍。
「レグナスではない」
■ズレ
まだ。
繋がらない。
ジョーカーと。
レグナスが。
別として扱われる。
■ヴァルハイン
「……出たか」
レオナルトが言う。
一拍。
「遅い」
■理解者
「ジョーカーが動く段階」
参謀が言う。
「通常戦争ではありません」
一拍。
「つまり」
言葉を止める。
■未確定
言えない。
まだ。
確信ではない。
「……保留だ」
■レグナス(上層)
「外部戦線」
ミレアが言う。
「ジョーカー介入後、停止」
一拍。
カイルが呟く。
「……完全に別次元ですね」
ヴェルドが答える。
「違う」
■核心
「同じだ」
ヴェルドが続ける。
「規模が違うだけだ」
■ルナたち
「……すごいね」
エリナが言う。
「一瞬で終わった」
レオンが笑う。
「分かりやすい強さだな」
一拍。
「でもさ」
ルナが言う。
「関係ないよ」
■最後
世界は。
初めて。
上を見た。
届かない存在を。
だが。
まだ知らない。
その上があることを。




