■第100話:再接触③
再び。
崩れている。
速く。
確実に。
ヴァルハイン軍は。
それを。
見ていた。
■前線
「……同じだ」
誰かが呟く。
短く接触。
離脱。
そのはずが。
遅れる。
一拍。
それだけで。
崩れる。
「またか……!」
■中央
「接触解除、遅延!」
「離脱不能!」
叫びが飛ぶ。
前回と同じ。
いや。
それ以上に。
速い。
「くそっ!」
■レオナルト
「……分かっている」
低く言う。
一拍。
「同じだ」
初めて。
認める。
現象を。
だが。
「……止まれない」
■判断
「接触時間をゼロにしろ」
命令が飛ぶ。
「触れるな」
一拍。
だが。
意味がない。
触れなくても。
遅れる。
「……なぜだ」
■後方
「接触なしでも遅延発生!」
「原因不明!」
報告が飛ぶ。
誰も答えられない。
分からない。
「……おかしい」
■認識
同じだ。
違う方法でも。
同じ結果になる。
つまり。
逃げ道がない。
だが。
止まれない。
■観測(レグナス側)
「接触回避、試行」
ミレアが言う。
「効果なし」
一拍。
カイルが震える。
「……もう全部ダメじゃないですか」
ヴェルドが答える。
「最初からだ」
■分析
「方法は関係ない」
ヴェルドが続ける。
「接触も」
「回避も」
一拍。
「結果は同じだ」
■ルナたち
「……気づいたね」
ルナが言う。
レオンが笑う。
「でも遅ぇ」
エリナが小さく言う。
「……どうすればいいの」
一拍。
ルナは静かに言う。
「どうにもならない」
■他国視点(中規模国家)
「また長引いてるな」
将が笑う。
「何やってんだか」
副官が肩をすくめる。
「連携が雑なんでしょう」
一拍。
「宰相がどうとか関係ありません」
「現場の問題です」
軽い断定。
まだ舐めている。
■レグナス
「報告」
「再接触、継続」
一拍。
「問題ない」
それだけ。
分かっている。
同じだと。
逃げられないと。
だが。
止まれない。
それが。
二度目の地獄だった。




