■第101話:再接触④
戦いは。
続いている。
だが。
兵の目が。
変わっていた。
■前線
「……また遅れる」
兵が呟く。
剣を振る。
当たる。
離れる。
そのはずが。
遅れる。
一拍。
それだけで。
崩れる。
「……分かってるのに」
■別地点
「離脱だ!」
命令が飛ぶ。
兵が動く。
だが。
止まる。
一瞬。
遅れる。
分かっている。
だが。
体が動かない。
「くそっ……!」
■連鎖
遅れが伝わる。
迷いが広がる。
判断が鈍る。
それだけで。
全てが崩れる。
「……やめろ」
■レオナルト
「……迷うな」
低く言う。
一拍。
「考えるな」
初めての命令。
思考停止。
だが。
遅い。
既に。
考えてしまっている。
「……無理だ」
■後方
「命令反応、低下!」
「士気、急落!」
報告が飛ぶ。
だが。
誰も驚かない。
当然だからだ。
■認識
分かってしまった。
何をしても。
同じになる。
だから。
動けない。
だが。
止まれない。
■観測(レグナス側)
「士気、低下」
ミレアが言う。
「反応遅延、増加」
一拍。
カイルが顔を青くする。
「……壊れてきてますよね」
ガイラスが笑う。
「いい感じだ」
■分析
「理解は毒になる」
ヴェルドが言う。
「分かれば迷う」
一拍。
「迷えば遅れる」
■ルナたち
「……来たね」
ルナが言う。
「精神の方」
レオンが笑う。
「一番キツいとこだ」
エリナが震える。
「……かわいそう」
■他国視点(中規模国家)
「動きが鈍いらしいな」
将が笑う。
「疲労だろ」
副官が頷く。
「長期戦ですから」
一拍。
「宰相がどうとか関係ありません」
「限界です」
軽い結論。
まだ理解していない。
■レグナス
「報告」
「士気低下、顕著」
一拍。
「問題ない」
それだけ。
戦いは。
続く。
分かってしまった者から。
壊れていく。
だが。
止まれない。
それが。
二度目の戦場だった。




