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軽キャンで異世界無双したおっさん、気づいたら国を作るんですか?やっぱり嫁がすきですね。  作者: カネキ
第10章 ウィズの嫁さん、俺の嫁さん編

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第98話 就活応援

思慮深い男と読者から思われている主人公ナンバー1の俺。

そんな俺が、スパーコンピューターのようだと思われている頭脳ではじき出した答え。

それが、ゼノス王国への帰還だ。

 ミロースが俺とウィズとギアを背中に乗せ、ゼノス王国へ向けて空を切り裂くように飛んでくれた。


 白い鱗が陽光を反射し、空の上ではやたら神々しいのに、地上に降りた瞬間は――


「ど、ドラゴンだぁ!」

「キャァーー!」

「逃げろーー!」


 ……はい、大混乱である。


 まあ、そりゃそうだ。

 街中にホワイトドラゴンが着陸したら、俺だって逃げる。


 何回、俺たちは同じ失敗を繰り返すのだろう。

 完全に自分のホームなので気が緩んでいた。

 こちらに襲い掛かってくる気配は無いけど、どう説明したらよいのか……


 だが、街の人々は俺の顔を確認すると、


「あぁ、また、あの人ね」

「なんだ、ノガミ家の」

「アレなら、しょうがないよね」


 と、妙に納得した顔で散っていった。


「……俺って、なんなんだろう」


 考えても仕方ない。

 そうだな、俺が人望がある。

 そう思っておこう。


 そのまま行きつけの奴隷屋へ向かうことにした。




 久しぶりに来たけど、かわってない。


「ここに来たかったんだよ」


「ここって?」


 ギアを引きずるミロースが聞いてきた。

 ミロースとウィズは初めてだよな。


「ああ、行きつけの奴隷屋。

 良心的な店なんだよ」


「行きつけ?

 良心的って……奴隷屋が?」


 ウィズが完全に引いてる。

 ……感覚がマヒしてたようだ。

 奴隷って、最初俺も引いたもんな。


 奴隷屋のドアを開け、明るい店内を進む。


「オッス、親父さんいる?

 今日は奴隷にしたい犯罪者を連れてきたんだけど、いっちょ頼むわ」


 受付の女性に、ミロースの足元に転がるギアを指さして言った。


「はい。

 ソレですねー」


 ギアを一瞥した受付嬢が事務手続きの用意を始める。

 ギアは芋虫のようにモゾモゾ暴れ、床を転がり、うっとおしい事この上ない。

 ヤバそうな目は、ちゃんと目隠ししてある。

 呪い殺しそうな雰囲気あったし、コイツの兄も目がヤバかったからな。

 あの目は絶対に人を幸せにしないタイプの目だ。


 フフフ。

 心配するな。

 俺も鬼じゃないから、奴隷にしたら(攻撃できなくなるので)ちゃんと目隠し外してやるからね。


 優しく微笑む俺。


「ヴー! ヴー!」


「ん?何、何、何?

 何か言いたいのか?」


 何か言いたげなので、優しい俺はギアの猿轡を外してあげた。


「殺してやる!」


 はい、即、これ。


「どう思う? この生意気な態度!」


 俺は受付嬢に言いながら、ギアの口に再び猿轡を押し込んだ。

 まったく、世話が焼けるぜ。


「ノガミ様、今日のは威勢が良いですなぁ!」


 奥から親父さんが出てきた。

 いよっ、待ってました!


 親父さんにギアの事をお願いする。

 素人が口出しするより、専門家に任せた方がいい。

 プロの仕事は、リスペクトすべきってのが俺の考えだからな。


 ギアは必死に抵抗したようだけど、流石プロ。

 親父さんは慣れた手つきで奴隷紋を刻み込んでいった。

 その動きはまさに職人芸。

 俺は思わず「おぉ……」と感嘆の声を漏らした。


「ひでぇ……」


 何が?

 いや、ひでぇのはギアの性格だろ。

 なのにウィズが意味不明の事を呟いて、なぜか引いてた。


 作業はあっという間に終わった。


「どうせ明日早くに出発するから、城(自宅)にもどらないからな。

 今日は、俺の所有してる宿屋に泊まろう」


「私はどこでもいいぞ」


 ミロースはどうでもいいって感じだ。

 ギアの事も興味がなかったみたいだし。


「所有?!」


 ウィズは、驚いている。

 いや、俺ってそんなに貧乏に見えるのか?

 まあ、しょうがないな。


「この俺からあふれる気品を感じれない様な貧相な感性の人間だから仕方ないよな。

 だから、気にしないぞ。

 良かったなウィズ。

 俺が寛容な人間で」


 俺はノガーミ商会の会長だから金持ちなのだ。

 地元に帰ってきて俺の影響力の一端を知って驚いたのだろう。


「……ヒロシ、気品って言葉の意味わかってるのか?」


 ミロースが小声でツッコんできた。



 翌朝。


「おーし。

 到着したぞ、ギア」


 仕事熱心な俺は、朝早くに奴隷となったギアを強制労働施設へ連れてきてあげた。


 広大な農場に到着し、職員たちの前にギアを立たせる。


「そんじゃ、ギア、命令するぞ!

 この施設の職員の言うことを聞いて、真面目に働くこと! 以上!」


 俺の命令はこれだけだ。


「それだけか?

 お前の事だから、非人道的な扱いするのかと……」


「非人道的って……ウィズ。

 お前の俺へのイメージってどうなってるんだ?

 痛めつけたりとかか?

 真面目に働くなら、それが一番だろう?」


 真面目が一番だ。

 どうしようもない犯罪者だが、就職の斡旋までしてあげるなんて、お人よし過ぎるかな。

 でも、それが俺なんだよね。

 自分自身の優しさに頭が下がる思いだ。


「お前ら二人とも感覚がマヒしてるぞ」


 ミロースは何を言っているんだろう?


 ギアが最後に俺を睨んだが、奴隷紋が光って何もできなかった。


「おい、今、光らなかったか?」


 ミロースが言ったけど、ギアの奴隷紋だろう。

 目で人を操るとか呪い殺すとか特殊能力があったのかもしれないから、攻撃でも仕掛けたんだろな。

 奴隷紋のおかげで人を傷つけれないようにしてあるから、何の脅威もないけどね。

 それでもギアが凄い睨んでくる。

 目だけで「殺す」と言っているようたが、猿轡があるので静かなもので問題なし。


「こいつが真面目に働いたら、ちゃんとご飯を食べさせてあげてください」


「いや、無視?!」


 挨拶中にうるさいぞ、ミロース!


 俺は職員へ、ギアの引き渡しを済ませたので農場を後にすることにした。

 ギアを就職先に送り届ける以外、ここに用事などない。


「奴隷仲間と仲良く、国の発展に協力するんだぞ!

 考えも行動も最悪な貴様のような蛆虫でも、俺は見捨てないからな!」


「……ヒロシ、それ優しさじゃなくて暴言だぞ」


 ミロースが呆れた顔で言うけど、そうか?


 死ぬまで外に出られないけど、元気でなギア。

 そういや仕事があることは、幸せなことだってテレビか何かで聞いた事がある。

 仕事もちゃんとあるし、ギアも充実した毎日を過ごせるんじゃないかな。 

 二度と会うこともないので知ったことでは無いけど。


「さて、忙しいし出発するか」


 俺たちは早々にゼノス王国を旅立つことにした。

 城に寄らず急いで出発する理由があるからな。

 一番大事なウィズの嫁さん探しの旅を一刻も早く再開しなければならないからだ。


「ミロース、そしたら、また飛んでくれ!」


「飛ぶのはかまわないけど……

 他人を奴隷にしといて、そんなにさわやかでいられるんだ?」


「フフッ。

 よせよミロース。

 さわやかだって褒めても何も出ないからな」


「凄いな。

 なんで照れてるんだ?

 ……いや、ヒロシだからな。

 考えるだけ無駄だ。

 行くぞ、二人とも乗れ」


 ミロースが翼を広げ、俺とウィズを乗せて空へ舞い上がる。


 ギアの就職(強制)も無事完了。

 俺たちの旅は、まだまだ続く。

就職の斡旋もしたし、今回は俺の人の好さだけの回になってしまった。

自分をひけらかす事を嫌う自分なのだが、優しさとか隠しても出ちゃうんだよね。

どうしても。

いや、マジで。

そんな事より、ウィズの嫁さん!

そう、嫁さんの件を解決しないで、何がリーダーか!

って事で、ウィズ。俺に任せろー。

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