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軽キャンで異世界無双したおっさん、気づいたら国を作るんですか?やっぱり嫁がすきですね。  作者: カネキ
第10章 ウィズの嫁さん、俺の嫁さん編

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第93話 ウィズの嫁さん探し

世界で一番心優しい男と読者からの声が続々届く俺は、ウィズの嫁さんを探す旅を続けていた。

どんな苦難が待ち受けようと、妥協はしない。

ウィズが気に入り、ウィズを気に入ってくれる女性を探し出すまで帰らない覚悟だ。

 なんか、集落に着いたようだ。


 ミロースが着地した瞬間、蜘蛛の子を散らすように村人が逃げていった。


 俺とウィズは、人っ子一人いなくなった広場に降り立つ。


「あららー」


 どうしたもんかと思っていたら、家屋の影から村人が続々と出てきた。


 よかった。

 ……って、みんな手に武器を持ってないか?!


「やばいんじゃねぇか?」


 以前もこういう事があったような……


「うおっ!」


 こっちに向かって走って来やがった!


「て、撤収ーー!」


 俺はミロースの背中に飛び乗った!

 即離陸!


 下から怒声が聞こえてくる、急げ!


「危なかったな。

 この集落はダメだ。

 ウィズもミロースも、それでいいな!

 そんじゃ、次行ってみよー」


 ミロースが羽ばたき上昇を続ける。


「ミロース、いきなり集落の前に降りたら騒ぎになる。

 今度は、居住地から少し離れた場所に降ろしてくれ」


 俺が言うと、ミロースは素直に頷いた。

 素直でうれしいぞ。


「ウィズ、今回はこういう事になってしまったが、次は気をつけるからな」


 ……返事がない。

 相当落ち込んでるのかな?

 俺達は次の地へ向けて――


「あれっ?! ウィズが乗ってない!」


 後ろを見たが無人だった。

 どうして?


 あ。


「ミロース!

 直ぐに戻って!

 ウィズを乗せ忘れてる!」


 ミロースが急旋回してスピードをつけて下降していく。


 下の方で走る人物を見つけた。


「いた!

 ミロース!

 あそこだ、急げぇー!」


 走る人影に向かって急ぐミロース。


「誰か、助けてーー!」


 村人に追われながら、ウィズが必死に走っていた。


 俺達は急降下して、すぐに回収してあげた。


「良かったな。

 もう安心だぞ、ウィズ」


「良かった訳あるか!

 酷いよ! ヒロシもミロースも!」


 ウィズが抗議してきたが……


「ウィズ、過ぎた事で人を責めるのは良くない」


 キリッとして人の道を説く俺。


「それをお前が言うのは違うだろ!」


「くっ」


 ウィズのくせに、正論を。

 ミロースは気まずそうに咳払いして、飛行を続ける。



「ミロース! あそこ! あそこに集落がある!」


 上空から集落を見つけた俺は、ミロースの背中をペシペシ叩いて指示する。


「え?

 あそこで良いのか?

 あそこは……まぁ、良いけど」


 ミロースが言って、下降を開始する。


 今度はちゃんと集落の手前に降りた。


 同じ過ちを繰り返さないのが、賢い俺達だ。


 ミロースが人化したが、裸なので、このまま行ったら先程と別の意味で騒ぎになる。


 そこで賢いリーダーの俺が、ミロースに上着を着せた。


「さぁて、行きますか!」


 意気揚々と集落に入っていく俺達。


 村人に対する俺の第一印象……


「みんなデカイな!」


 それ以外は問題ないよな?

 それなら問題は無い。


「とにかく村の中を見て回ろう」


 村内に入って歩き出した瞬間、囲まれた。


「貴様、この村に何用だ?」


 デカイ男が言った。

 頭に角が生えてる。


(鬼なの?)


 と考えていると、


「黙っていないで、答えろ!」


 別の鬼さんが怒鳴ってきた。

 キャンキャンと吠えて、うるさいな。

 焦りなさんな!


「嫁さん探しに来ただけだ!」


 正直者で通っている俺なので、正直に答えた。


 鬼さん達がヒソヒソ話をしだした。


 うん?


「なんだ?

 感じ悪いぞ、お前ら!」


 そう一喝しようと思ったが、怖いので顔には出さず、ニコニコと大人の対応をする俺。

 あの腕の太さを見てみろ。

 あんなもんでぶん殴られたら無事で済まん。


「ヒロシ、ここオーガの里じゃん」


 ウィズが耳打ちしてきた。


 ふーん、これがオーガなのかぁ。

 ……もっと荒々しい感じで半裸のイメージがあったけど、デカイだけで普通なんだな。


 角がある以外、人と変わんない。

 じゃあ、問題なんて一つもないじゃん。


「良かったな、ウィズ」


「なにが?」


 ウィズの察しが悪いのは今に始まった事じゃない。

 よって、無視。


「この村に人間とつがいになるような者は、いない。

 立ち去るがいい」


 オーガの兄ちゃんが言ってきた。


「は?」


 今さら別の場所に行けるかよ。

 めんどくせぇだろうが!


 舐めてんのか!


 そう叫びたいが、このデカイ奴等を刺激して痛い目に合うのはごめんだ。


 さて、どうする?


「旅をしてきて疲れているんだ。

 少々村で休憩するくらい良いんじゃないか?」


 ミロースが言った。


 ナイス!


 俺はミロースに乗っかる。


「疲れた。

 本当に疲れた。

 あー疲れたなあ!

 休憩させて、おくれよぉー」


 主演男優賞並みの演技を披露した。


 どうだ?

 可哀そうだろう?

 母性本能が刺激されるだろう?

 守ってあげたいこの笑顔。


 (えぇ~帰らないの?)と鬼さん達の顔に書いてある。


 そこまで露骨に嫌な顔をしなくてもいいだろう!

 俺が可哀そうだろう。


 ……だが、


「休んだら、出てけよ」


 そう言って、オーガの兄ちゃん達は解散していった。


「そんなに疲れたんですか?」


 ウィズが俺に聞いてきた。

 ……こいつは。


 ミロースが驚いた顔でウィズを見ている。

 いや、ミロース。

 こういう男だから、ウィズは。


「いや、あのね、ウィズ。演技だから」


 優しい俺が、残念なこの男に教えてあげた。


「え?

 演技だったんですか?!

 ……でも、どうしてそんな演技を突然?」


 もうヤダ。

 とりあえず、ウィズには微笑んであげて無視することにした。


「ここでウィズの嫁さんを見つけるぞ!」


 俺は心に誓い、歩き出す。


 なぜなら、


 もう、


 すでに、


 めんどくさいからだ!!

もう十分頑張ったろ、俺。

ここで、見つけてくんないかなぁ。

早く帰りたいし。

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