第110話 海、いこうぜ!
流通の発展していない世界で寿司が、海鮮が食えたって事は、そういうことだろう。
寿司屋があった。
生魚があった。
流通の発達していないこの世界で?
どうしてか?
それは――つまり!
(海が近いってことだ!!)
「今日は、海に行きたいと思います!」
俺は朝食の席で、みんなに向かって高らかに宣言した。
みんなの視線が俺に集まる。
(……あれ? 不味かった?)
次の瞬間。
「「「うおおおおおお!!!」」」
大歓声が上がった。
うん、みんな大喜びのようだな。
軽キャンクラブは、福利厚生を大切にするレジャー大好き冒険者パーティーなのだ!
「街で食材やキャスカの水着とか皆さんの水着、他にもいろいろ買っていきましょう!」
ルファスが良いことを言った。
「それじゃ、さっさと食べて行きますか!」
一致団結し、朝食を秒速で片付けた。
俺達の遊ぶ時の行動力は異常だ。
みんなラフな格好に着替えて外で待機。
俺は地下室へ行き、軽キャンに乗り込み変形解除。
「そんじゃ、出発進行! いざ街へ!」
軽キャンとルファスのキャンピングカー、2台で街へ向かった。
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街に到着。
「それじゃ、服屋を探せ!
あと食料品を調達!」
俺の指示で、軽キャンクラブのメンバーが効率的に散っていく。
(ほんとに遊ぶ時は行動が早いな……)
俺が軽キャン前でタバコを吸いながら待っていると――
「ヒロシ様ー! 買ってきました!」
カイ、バン、ライカ、フィリーが、山のような食材を抱えて戻ってきた。
「……は?」
お前ら、一体何泊するつもりなんだ、その量は。
「いくら何でも、多すぎだろう」
呆れて言った。
「余ってもアイテムボックスに入れとけば腐らないんですから、無駄じゃないですよ」
「カイの言う通りですぅ」
カイとフィリー夫妻が俺に言った。
「そうですよ、足りないより多めの方が良いって」
「お魚や貝とか、海の物って中々食べれないから沢山買っちゃいました」
バンとライカもか。
ライカの言う通り、魚介類って中々口に出来なかったからな。
しかし、この量……
俺は呆れながらもアイテムボックスを開け、食材を次々と放り込んだ。
この中だと腐らないから無駄にならない。
逆に沢山買ってきてくれて良かったのかも。
次にウィズとユリスが、釣竿、網、投網、シュノーケル、バケツ……
なんか色々積んだ荷車を押してきた。
「お疲れ! 二人で大変だったな」
「ユリスが手伝ってくれたんで大丈夫だ!
力も強いし、可愛いし、最高の奥さんだぜ、ユリスは!」
「やだ、恥ずかしいわ、アナタ」
ウィズとユリスがイチャイチャし始めた。
(……二人きりの時にやれよ)
「お前ら、店にちゃんと荷台返しとけよ」
俺が言うと、二人はキャッキャ言いながら荷台を返しに行った。
(まぁ、仲が良いのはいいことだ。浮気せず奥さんを大切にしろよ……)
さて、もう一服――と思ったところで、ミロースとプロムがやってきた。
「ヒロシ様、水着の売っている店を見つけましたので、行きましょう」
「よし、みんなが戻ったら水着を見に行くぞ!」
俺は食材班と合流し、水着屋へ向かった。
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店に到着。
「みんな、好きなの選べー!」
俺が言うと、みんな散っていく。
ふと見ると、ルファスが難しい顔をしていた。
「どうした?」
ルファスの視線の先には――
子供サイズのワンピース水着と、マイクロ水着。
(キャスカのだよな?……何も言うまい)
俺は自分の水着を適当に選び、レイラの元へ向かった。
「ヒロシ、これなんかどうかな?」
レイラが選んだ水着を見せてくる。
「うん、可愛いとは思うけど……」
(可愛いとは思うけど、レイラの魅力や良さは、そんな水着では半減だよ)
やっぱりセンスの良い俺が選んであげないとダメだな。
「レイラ、ゆっくり見てて。
ちょっと自分の水着探してくるから、後でな」
そう言って離れ、レイラ・プロム・ミロース用の水着をこっそり購入した。
横を見ると、ルファスがマイクロビキニを含む数点を会計していた。
「お前らもか?」
ウィズ、カイ、バンも、趣味の良い水着を手にしている。
(みんな奥さん思いの良い旦那さんだな……ほっこり)
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買い物が済んだ。
「よし! いざ海へ!」
俺達は海を目指して出発した。
音楽をかけ、スピードを上げ、テンションMAXで進む。
そして――
海に着いた。
潮の匂い、波の音、白い砂浜――全部が最高だ。
砂浜に軽キャンとキャンピングカーを停める。
誰もいない。
プライベートビーチ状態。
(最高じゃねぇか……!)
「それじゃ、さっそく着替えようか!」
俺は興奮しながら言った。
男達は外でサッと着替え、服を軽キャンに放り込む。
女性陣はキャンピングカーの中で着替え中。
俺達旦那軍団は、そわそわしながら待つ。
そして――
キャンピングカーのドアが開いた。
(来た……!)
海と水着はセットだ。
ただ眺めに行くこともあるから、セットというのは言い過ぎだ。
通常ならな。
今回は、嫁さんや仲間の妻の水着姿を拝めるんだから、海と水着は切っても切り離せないだろう。
やっぱ、レジャー最高だぜ。




