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裏方聖女は逃げ出した!~ブラック職場やめます!お洒落なカフェハウスの店長になったので、今更戻れと言われてももう遅い!  作者: 柚屋志宇
第4章 闇のカフェ

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80話 変化する日常

 スタイン公爵夫人とお話をした日から、カフェハウスの日常は変化しました。

 日常といっても、その時点ではまだ数日しか営業していなかったので、数日にして体制が整ったと言うべきなのかもしれません。


 カフェハウスに従業員が四人増えました。

 スタイン公爵夫人が手配してくださった女性給仕が二人と、厨房係が二人です。


「私の腹心のメイド、キャリーとプリスよ」


 カフェハウスの給仕係にと、スタイン公爵夫人は二人のメイドを紹介してくれました。

 二人のうち一人は、スタイン公爵夫人が最初にカフェハウスに来たときに連れていた小間使いの女性二人のうちの一人で、ニーナの光魔法料理を一心不乱に食べていたほうの女性です。


「キャリーとプリスは攻撃魔法が使えるの。戦闘訓練も積んでいるから護衛の役にも立つわ」

「え?!」


 スタイン公爵夫人の説明にニーナが目を輝かせました。


「戦闘メイドなんですか?!」


 ニーナの夢のある質問に、スタイン公爵夫人は小首を傾げました。


「冒険活劇に登場する戦闘メイドとは違うけれど。護衛の役にも立つメイドだから雰囲気は似ているかしら?」


「かっこいい!」


 ニーナの瞳が星のようにキラキラと輝きました。


 ニーナは見た目は可愛いくて、お洒落で、お料理の天才で、特徴だけ並べるとすごく女の子らしいのですが。

 でもニーナって、最強や戦闘の話が好きなんですよね。

 その手の話になるとニーナは温度が上がって熱量が増します。


「私も攻撃魔法が使えたらなぁ。片っ端から屠って駆逐してやるのに」


 ニーナが物騒なことを呟いています。

 一体何と戦うつもりでしょうか。


「そんな優秀なメイドさんをお借りしてしまって良いのですか?」


 私がそう尋ねると、スタイン公爵夫人は楽しそうにして答えました。


「だって妹ちゃんたちのお店は、私の秘密の遊び場になるのですもの。警備もしっかりしないとね!」


 それからスタイン公爵夫人は、カフェハウスの厨房の補助にと、スタイン公爵家の厨房で働くメイドを二人貸してくださいました。


厨房(キッチン)メイドのジェシカと、皿洗い(スカラリー)メイドのベティよ」


 厨房メイドというのは、料理長の補助をして調理を手伝うメイドです。

 これは一緒に働き始めてから解ることですが、公爵家の有能な厨房メイドであるジェシカさんは、市井では料理人として通用する知識と技術を持った人でした。


 皿洗いメイドは、厨房メイドの見習いの少女で、皿洗いなどの厨房の雑用をする下働きです。

 しかしさすがというべきか、公爵家の厨房の下働きはレベルが高かったです。

 皿洗いメイドのベティさんは、私よりずっと仕事の手が早く、簡単なお料理もできて、計算もできます。


「ジェシカさんもベティさんも達人(プロ)だわ。私はまだまだ素人だったわ。やっぱり公爵家の厨房ってレベルが高い……」


 と、いうのは、二人と一緒に厨房で働き始めたニーナの言葉です。



 ◆



 新しい従業員を迎えたカフェハウスの営業が始まりました。


「いらっしゃいませ」


 お客さんの対応は、給仕係兼護衛のキャリーさんとプリスさんがこなしてくれます。

 公爵家で働いていた彼女たちは、品があり対応もスマートです。


「カフェとティー・ビスケットを頼む」

「こちらのティー・ビスケットは、明日から魔法塔でも販売いたします。そちらもどうぞよろしくお願いいたします」


 キャリーさんとプリスさんは、来店した魔法士さんたちの接客をしながら、魔法塔で販売するティー・ビスケットの宣伝もしてくれています。


「何?! 魔法塔のどこで売るのだ?!」

「魔法塔の喫茶室に販売を委託しております」

「おお!」


 魔法塔でティー・ビスケットが販売されるというニュースを、魔法士さんたちは歓迎してくれているようでした。


「素晴らしい!」

「仕事場でもこのビスケットを食べられるとは!」

「売り切れが心配だ。何時から販売するのかね?」


 来店した魔法士さんたちは、魔法塔でティー・ビスケットが売られるという話題で盛り上がっています。


「ごきげんよう、妹たち。ボブ兄さんだよ」


 お昼になるとホバート様がいらっしゃいました。

 庶民の仮装をして。


「……ボブさんとお呼びして良いのですか?」


(スタイン公爵夫人に『ボブちゃん』って呼ばれるのをホバート様は嫌がっていたのに。良いのかな?)


 私が念のために確認すると、ホバート様は自信満々に答えました。


「庶民を装うなら名前も庶民らしいほうが良いだろう。だから愛称を名乗ることにしたのだ。ボブは完璧だ」

「ボブさんと呼ばれるのは嫌ではなかったのですか?」

「ボブちゃんと呼ばれることが嫌なのだ。子供の呼び方だからな。ボブ兄さんなら問題ない」

「そ、そうなのですね……」

「母上のアレは不治の病だ。家の中では諦めている。外に出たときはきちんとして欲しいものだが、母上の悪い癖が治らず困っている……。ポーションを飲ませても治らない不治の病だ……」


 それは、そうでしょう。

 名前の呼び方は、ポーションで治るものではないと思います。

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