表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【挿絵有り】ドリーム★コネクターズ ー不幸少女と空想少年ー  作者: バンブー
RPG世界編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/67

第20話 夢:(2/11)

 またしても玉座の間の中心から光の円形と何処かの言語が描かれた魔法陣が突如形成される。その魔法陣の中心点から今度は光の柱が形成され、何かが上から落ちてくる。

 ドスンと落ちたそれはどうやら少年らしく、頭を抱えながらゆっくり立ち上がった。


「痛ててて……何なんだよ急に、いったいどうなってるんだ?」


 少年の風貌は赤茶色のローブを纏い、茶色がかった短い髪がボサボサに乱れている。強い意志の籠もるパッチリとした瞳を見開く。



挿絵(By みてみん)



「うおー!? す、すげー!? 俺、立ち上がってる!? 何か足に黒い包帯が巻かれてるし!?」


 少年が自分の足を見て驚いていた。彼の言葉を聞き足を見てみると。両足共にショーンやモエカと同じく黒い包帯が巻かれていた。


「うおー!? 何だよここ!? 暗いけど城の中か!? あれ? まさかこれって……」


 キョロキョロと辺りを伺う少年はやがて――


「俺、異世界転生したんだ!? 夢にまで見た剣と魔法の世界にこれたんだ! イヤッホー! ステータスオープンとかどうやるんだ? やべー! ワクワクしてきたぞ!!」

『「「……」」』


 皆が見守る中、少年は跳びはね踊り狂う。


『……何ダ、今度来タノモタダノクソガキカ』

「カイトくん!」


 エリザベーヌは自然と名前を口にするとカイトと言われた少年は気づき、彼女へと体を向ける。


「あれ!? 水瀬じゃん! お前も居たのかよ! てか何でお姫様みたいな格好して、黒い包帯を目に巻いてんだよ?」

「違う! 水瀬なんて呼ばないで! 私は王女エリザベーヌ・ミナセ・ベアトリーチェ! このミナセ王国の女王よ!」

「ブハハハ! エリザベーヌってお前、何お姫様ごっこしてんだよ! 小三しょうさんにもなってダッセエなぁ! ブハハハ!」

「……カイトくん、後で殺す」


 カイトとエリザベーヌのやり取りはとても慣れ親しんだ間柄に思える。

 ショーンは、カイトに対して声をかけた。


「君! そこは危ないから早く離れるんだ!」

「はぁ? 危ない?」


 間抜けな表情を浮かべてショーンを向くカイト。だが、その隙を狙ったかのように魔王サウスは右手を掲げた。


『ナンダカヨク分ランガ、オ前ハ不穏分子ダ! シネェエエ!』


 サウスが右手を振り下ろすと、黒いエネルギー物質が三日月状に形成され放出される。それはカイトへと直進していった。


「カイトくん!」

「危ない!」

「う、うわあああああああああああああ!?」


 三者共に大声を上げる。

 そして、黒い三日月はカイトに衝突し爆発を引き起こした。


『フアッハッハッハ! 呆気ナカッタナクソガキヨ! フアッハッハッハッハッハッハ……ハアァ!?』


 魔王サウスは高笑いを止める。

 カイトから立ち込めていた爆煙が晴れていく。すると、そこには黄色くも薄い光の幕が彼を覆っていた。


「……あ、あれ? 痛くない。俺、生きてるぞ? な、何だこの光の壁は!?」

「あれは!?」


 彼は自分の体を守るように構えていたが、あの煙の中を無傷で立っていたようであった。ショーンは、彼の両足に巻かれた黒い包帯……主に太股の部分に文字が浮かび出た文字へ見逃さなかった。


「あれは……閃光せんこうって書いてあるのか? 彼もまた僕達と同じ力を……」


 彼の太股は[閃光]と書かれていた。

 ショーンは、またしても自分と同じ能力を持った人間が現れたことに驚きを隠せなかった。


『ッチ!! コイツモマタ厄介ソウナ能力ヲ使ウノカ!』

「カイトくん!」

「水瀬! 今助けるぞ!」


 エリザベーヌのかけ声にカイトは反応する。

 カイトは自分でも驚きながらも右手で拳を作り、その場で正拳突きを繰り出すように構えて見せる。


「何だかよく分からねぇけど、この力の使い方……何となく分かってきたぜ!」


 彼が構えると同時に、太股に書かれた[閃光]という文字から手の平サイズの球体が八つ飛び出し彼の周りに浮かび上がる。どれもが濃縮されたエネルギーのように光り輝いていた。


『ヤバイ気ガスル……』


 危険を感じた魔王サウスは、エリザベーヌと共に黒い霧に包まれ初めその場から離脱しようと試みる。


「逃がすかああああああ!」


 カイトの周りに浮かんでいた球体は突然形状を変え、それぞれが大きな槍のような形に変わる。

 彼は叫び声と共に拳を前に突き出すと、浮いていた光の槍達は一斉に魔王サウスへと飛び込んでいく。


『ギャアアアアアアアアア!!』


 光の槍はショーンの剣でも着ることの出来なかった魔王の体に突き刺さり、断末魔を上げながら玉座の間に立ち込めていた黒い霧を掻き消していった。


「やったか!?」


 誰しも思うショーンの言葉が響き、辺りはシーン静まりかえる。

 霧が晴れると、そこには魔王サウスとエリザベーヌの姿は何処にも無かった。そして、玉座の間に声が響き渡る。


「クソ! いなくなったぞ! どこだデカ物! どこだ水瀬!」

『今日ハコノクライデ勘弁シテオイテヤロウ! ダガ、王女エリザベーヌハモラッテ行クゾ! フハハハハハハ!』

「そ、そんな!? 南方! エリちゃんを返せ!」

『フハハハハハハ! 返シテホシケレバ魔王城マデ来イ! シカシ、コノ世界ニハ我ガ魔王群ノモンスター達ガ居ル! ソレラヲ乗リ越エ、我ガ輩ノ元マデ来レルカナ? フハハハハハハ!』


 律儀にいろいろ教えてくれた魔王サウス。彼の気配は徐々に消えていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ