第19話 夢:(1/11) 気高き英雄最後のフラッシュバン
ラッパが鳴り響き、ショウの鼓膜へと突き刺さる。
「うわわッ!?」
ショウが勢い良くベッドあら起き上がると、またしてもそこは見知らぬ世界であった。
大理石で出来た白く綺麗な壁、焦げ茶色の木材に金色の縁が付いたお洒落な家具の数々、赤く高級そうな絨毯が引かれた部屋の窓からは小鳥のさえずりが聞こえてくる。
すぐさまショウは自分の右手を見てみると、例の如く黒い包帯が巻かれていた。
「まさか……これもまた夢?」
ショウは、またしても自分が夢を見ていると自覚したのだ。
すると彼のいる部屋のドアから、慌ただしい足を音がドンドン近づいてくる。
「王子! いつまで寝ているのですか! 早く起きて下さい!」
「え……」
いきなり扉が開かれ、テレビやアニメで見たフリフリフリルで短いスカートの半袖メイド服を着た母親が出てきた。
「えええええええええええええ!? か、かか、か、母さん!? 何でそんな格好をしているの!? 夢の中でもそれはさすがに恥ずかしいから止めてよ!」
「母さん? 何を寝ぼけているのですか王子! 私はメイド長です! ささ、早く支度をなさって下さい!」
母がそう言うとショウを無理矢理クローゼットの前にあった鏡の前に立たせ、まるで台風のような動きで彼の身なりを整えていく。
鏡の前のショウの寝癖はあっと言う間に無くなっていきドンドン服を着させられ、あっと言う間にトランプのキングに印刷されているような中世ヨーロッパ貴族の服装とマントを身に纏っていた。
「……なにこれ」
現代のファッションとは程遠く、コスプレにも近い衣装を着た自分自身を見たショウは絶句するほか無かった。
「ささ、早く参りましょうか王子」
「え!? ど、何処に!?」
「お姫様……いえ、王女様でした。王女様がお待ちです。さあ行きましょうか!」
「えー!? ちょ、ちょっと!?」
強引に母親そっくりのメイド長に手を引かれて行くショウであった。




