第13話 — 「夜の出会い」
プラデモスとダダンは一緒にホテルに入った。
プラデモスはダダンに鍵を渡した。「ダン、お前は先に部屋へ行ってくれ。俺はちょっと下で用事がある。」
ダダンは鍵を受け取った。「わかった、先に上がっているよ。」 ダダンは階段へ向かい、部屋へと上がった。
一方、プラデモスは外へ出て、女性の羽毛トカゲに会いに行った。
ホテルの外で、プラデモスはネモアがすでに自分の前にいるのを見た。まるで彼の到着を待っていたかのように。
ネモアは微笑んだ。「ほお、このイケメンはどこへ行くのかな?」
プラデモスは頭をかいた。「ああ、単刀直入に言うぞ…お前は何の目的でここに来た? そしてヴァレリウスの真の目的は何だ?」
「私はあの子を監視するために来たんだ。それ以外に何かあるか?」
「ああ、それはわかってる。だが、彼の本当の目的は何だ? もしあの子に悪意があるなら、容赦はしないぞ。」
「わあ、落ち着けよ、お兄さん。私は誰も傷つけるつもりはない。」 ネモアはコンクリートの手すりに座った。「こっちに来いよ。あの子が本当は何者なのか教えてやる。」
プラデモスは少し驚いた。「彼はただの普通の人間じゃないのか?」 彼はネモアに近づきながら言った。
「座れよ。噛まないから。」
プラデモスは冷たい表情で彼女を見つめた。
「ははあ、そんなに固くなるなよ…そんな目で見られると、ちょっと怖いな。」 ネモアはまるで昔から知っているかのように温かく微笑んだ。
「で、彼は一体何者なんだ?」 プラデモスは真剣にネモアの顔を見つめた。
ネモアは顔を赤らめた。「そんなに見つめないでくれよ。私だって女なんだぞ。」 彼女は顔をそらした。
プラデモスはその言葉に驚いた。異性との交流に慣れていないからだ。
「ああ…」 プラデモスは同じく恥ずかしそうに後退した。「すまん、すまん…集中しすぎた。」
「お前は本当に男女の区別がつかないんだな。」
プラデモスはヒカリの鋭い態度を思い出した。「ああ…母以外の異性とはろくな思い出がないんだ。」
ネモアはそれを聞いて笑った。「ははは…お前は本当に変わってるな。はあ…久しぶりにこんなに笑ったよ。よし、本当のことを教えてやろう。」
彼女は笑いを止めた。「アシュケラン建国の歴史に出てくるギノヴァを知っているか?」
「お前もそれを知っているのか? 女はおしゃれとおしゃべりが好きなだけだと思っていたよ。」
「パンッ!」 ネモアはプラデモスの手首を強く叩いた。
「ああっ!」 プラデモスは痛そうに叫んだ。「何をするんだ?!」
「お前は本当に女性の扱い方を知らないんだな?!」
「何が悪いんだ?!」
「ああ…もういい。」 ネモアは話を終えずに怒って立ち去った。
プラデモスは彼女が去っていくのを呆然と見つめた。
「ああ…なぜあんなにきついんだ…ヒカリと変わらないな。」 彼はホテルの中へと戻っていった。
ホテルの中では、ダダンがベッドに横になって天井を見つめていた。
「トントントン!」 ドアがノックされた。
「ダン、ドアを開けてくれ!」
ダダンは起き上がった。「はい、今行きます、デモス様。」
ダダンがドアを開けると、不機嫌そうな顔をしたプラデモスが立っていた。「ああ…驚かせたな。」 ダダンはため息をついた。「どうしたんだ? そんなに不機嫌な顔をして。」
プラデモスはただ目を動かしてダダンを見た。「女だ、ダン…女だ。彼らは俺を混乱させる。」
ダダンはそれを聞いて微笑んだ。心の中で、「はは…デモス様は本当に異性との経験がまったくないんだな。」
「で、下で何があったんだ?」
「ネモアだ。彼女がお前を監視している。」
ダダンはドアを閉めて鍵をかけた。プラデモスはダダンの横を通り過ぎてベッドに座った。
それを見たダダンは心の中でつぶやいた、「ああ…それは俺のベッドだ。」
「ヴァレリウスを知っているか?」 プラデモスが尋ねた。
ダダンはその名前を聞いてすぐに震えた。「あの人物のことか? 夜に一人でアシュケランを襲ったあの男か?」
ダダンはプラデモスに近づいた。「彼女が本当にヴァレリウスの使者だと確信できるのか? 少しも疑わないのか?」
「お前は知らないのか? ああ、そうだ。俺はお前に話していなかったな。」 プラデモスは鼻をかいた。「ああ、ちょっと待て、かゆい。」 彼は布で鼻を拭いた。「ああ、そうだ…彼女はあの夜にお前を監視していたんだ。」
「ヴァレリウスが襲撃したあの夜のことか?」
「いや、違う。別の夜だ。」 プラデモスはため息をついた。「要するに、俺は彼女を城壁の端まで追い詰めたんだ。彼女は自己紹介をして、それから消えた。」
「はは…もっと詳しく話せないのか?」
「いや。だが、さっき彼女はお前の真実を知っていると言っていた。何を言いたいのか俺もわからなかった。」
「ああ、何だって? 彼女は俺の何を知っているっていうんだ?」
「さあな。俺が話しかけたら、彼女は怒って立ち去ってしまった。」
ダダンはすぐに会話の流れを理解した。「ああ…何が起こったのかわかったよ。」 彼は安堵の笑みを浮かべた。
「どういう意味だ?」
「ああ…ははは…何でもない。早く休もう。」
「お前は先に寝ろ。俺は温かい湯に浸かりたい。」 プラデモスは部屋を出て浴室へ向かった。
「ああ…俺も顔を洗わないと。」 ダダンはトイレへ向かった。
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その同じ夜、ネモアは魚を焼いているヴァレリウスのもとを訪れた。
「よう、ヴァレリウス。さっきあの子に会ってきたよ。」
「会ったのか? 様子はどうだった?」
ネモアは焚き火の前に座り、ヴァレリウスと向かい合った。「元気そうだったよ。トカゲが一匹、彼のそばにいた。」
「プラデモスのことか?」
「ああ、彼が一緒にいた。」
「彼なら安全だろう。」
「なぜあの子にそこまで執着するんだ?」 ネモアは焼いている魚を掴んで食べた。「あつっ!」
「俺の魚を取るなよ。」
「お前はけちだな。コモドのトカゲたちに他の食べ物を狩らせればいいだろう。」
「俺がペットのよだれを食べると思っているのか?」
「で、お前のペットは元気か?」
ヴァレリウスは森の中で眠っているコモドを見た。「大丈夫そうだ。」 彼は巨大な戦鎚を取り出した。「今のところ、望まない脅威からは安全だ。」
「なぜそんなに確信できるんだ?」
「さっきお前も尋ねていただろう?」
「ああ、そうだった。すまない。」
「あの子に何かを感じるんだ。ただの可能性だけじゃない…何かとても見覚えのあるものを。」
「どういう意味だ?」 ネモアは焼き魚を噛みながら言った。
「話すなら、まず食べ物を飲み込め。」
「ゴクッ!」 ネモアは噛んでいた食べ物を飲み込んだ。「すまない、悪い癖だ。」
「お前はトカゲだ。そもそも噛む必要すらないはずだ。」
「俺をペットと同列に扱うのか?」
ヴァレリウスはただ冷たくネモアを見つめた。
ネモアは顔をそらした。まるで照れ屋なツンデレの女性のように。しかし彼女はそれほど照れているわけではなく、自分のペットのコモドと同列に扱われたことに怒っているだけだった。
「可愛ぶるな。」 ヴァレリウスは自分の魚を取って食べ始めた。「この場所の歴史を知ってから…思っていたよりも複雑で込み入っていることがわかった。」
「おとぎ話を読んで、頭がおかしくなったんじゃないか?」
「そんなことはない、お嬢さん。」 ヴァレリウスは焼き魚を噛みしめた。「あの子はギノヴァと関係があると思う。」
ネモアはそれを聞いてむせた。「ゴホッ…ゴホッ…」 彼女は息を整えた。「ドワーフのリーダーで、アシュケラン建国の父であるあのギノヴァのことか?」
「そう言えるな。そして王国側もおそらくそれを知っているだろう…だが、まだ公にはしていない。」
「ああ…ますます混乱してきた。」 ネモアは首を振った。「つまり、あの子がアシュケラン王国の正統な後継者だっていうのか?」
「そうだ。彼こそが真の王座継承者であり、今の王は偽物だ。」
「あの子が? ドワーフにまったく見えないぞ。」
「…まだ確信はない。だが、あの子がこの世界を変える唯一の原動力だと確信している。」 ヴァレリウスは拳を握りしめた。「俺はこの腐敗したシステムにうんざりしている。そしてこれが今のところ唯一の希望だ。」
ネモアはただヴァレリウスを見つめた。彼の視線は虚ろでありながらも、目的を見据えて鋭かった。
「あの子に何をすればいいのか、私にもわからない。今はただ君を支えることしかできない。」 ネモアは立ち上がり、服についた焼き魚のくずを払った。「よし、もう寝るよ。もし必要なら、私はホテルにいる。」
彼女は魚を持って去っていき、歩きながらそれを食べた。
ヴァレリウスはうつむき、全てに絶望し始めていた。
彼はネモアが去っていくのを見て、つぶやいた。「ああ…あれが最後の魚だったのに。」 彼は立ち上がり、深く息を吸った。「また魚を探しに行くか。」
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翌朝
プラデモスとダダンは旅の準備をしていた。
「で、準備はできたか?」 プラデモスが尋ねた。
「ああ、準備はできている。」 ダダンはすでに体を清め、荷物をまとめていた。
「よし、準備ができたなら出発しよう。」
彼らは階を下りた。
プラデモスはフロント係に鍵を渡した。「部屋ありがとう。」
「どういたしまして、お客様。」
「行くぞ、ダン。」
「はい、行きます。」
彼らは外へ出た。外では多くの警備員が集まっており、何かが起きたようだった。
「デモス様、あそこで何が起きているんですか?」
「何かあったようだ。」 彼らは群衆へと急いだ。
「何があったんだ?」 プラデモスは警備員の一人に尋ねた。
警備員は振り返った。「ああ、おはようございます。この村からそう遠くない場所に魔物の大群が現れました。おそらく旅の妨げになるでしょう。」
「ああ、くそっ。で、彼らはいつまでそこにいるんだ?」
「彼らは侵略的な生物です。移動するまでに何日もかかるでしょう。」
「野獣ではないのか?」
「いいえ。これらの生物は地球という世界から来たと言われています。」
プラデモスはダダンを見た。「これについて知っているか、ダン?」
「ああ…何を言っているのかよくわからない。」
「では、彼らの間を通り抜けることは可能か?」
「可能ですが、彼らに阻まれるかもしれません。」
「危険でなければ、通り抜けても大丈夫だろう。」
ダダンは黙っていた。
「よし、行くぞ、ダン。出発しよう。」
「ああ、行こう。」
彼らは馬車に乗り込んだ。「ハッ!」 プラデモスが叫んで旅を始めた。
彼らの馬が進んでいくと、川のそばに大群が見えてきた。何匹かは道の真ん中で日光浴をしていた。
プラデモスは馬車を止めた。「何の生き物だろうな。」 彼はダダンを見た。「これが何の生き物かわかるか、ダン?」
ダダンは気まずそうに笑った。「ははは…」 彼は周囲を見回した。「あれはモニタートカゲだ。俺の世界では水トカゲと呼ばれている。」
「ああ…俺の仲間に似ているな…だが、愚かに見える。」
「それが大きな問題なのか?」
「もちろんそうだ、ダン。お前はこの問題の重大さを理解していないかもしれない。」
「ああ…すまない。」
「いいや、ダン。お前のせいじゃない。」 プラデモスはノートを開いた。「これを王国への報告書として記録しておこう。彼らがこの問題を解決してくれることを願う。」 彼はノートをしまった。
「ここには千匹以上いるように見えるな。」
ダダンは魚を捕っているもの、木の上の鳥を食べているもの、日光浴をしているものを目にした。
「彼らは現地の生態系を著しく破壊している。」
「ああ、これらの侵略的な生物は、かつてある村の生計を台無しにしたこともある。」
「これらのトカゲのことか?」
「ああ…」 プラデモスは馬車を叩いてトカゲたちを道から追い払おうとした。
「彼らはあまり危険には見えないな。」
「彼らはここの個体群にとってより大きな脅威だ。」
「ああ…」
彼らは馬車でゆっくりとトカゲの群れの中を通り抜けていった。
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一方、アシュケラン市では
アストンは店の窓から外を見た。「彼らが旅立ってからもう一日か。」
店は客でいっぱいだった。
「早く任務を終えて戻ってきてほしいものだ。」 アストンはため息をついた。
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ヘドレンへの道中、プラデモスはイライラして叫んだ。「トカゲなんて大っ嫌いだ!!」 トカゲたちが馬車に群がっていたからだ。
ダダンは笑った。「彼らと同じ種族じゃないのか?」
「お前はわかってないな、ダン…俺には服を着ていない同族のように見えるんだ!」
そして彼はそれを想像した。「うえ…気持ち悪い。」
ダダンはプラデモスの表情を見て、思わず笑った。
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— 第14話へ続く —




