# 第5話 ## 「伝説の最初の勝利」
# 第5話
## 「伝説の最初の勝利」
ゴブリンキングが咆哮した。
「グオオオオオオオ!!」
森が震える。
鳥たちが一斉に飛び立った。
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だが。
修司はもう怯んでいなかった。
レベル10。
体中に力がみなぎっている。
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「すごい……」
エルナが呟く。
「本当に強くなってる……」
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ミーナも目を丸くする。
「おじさん光ってる!」
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「たぶん気のせいだ」
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「絶対違う!」
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そんなやり取りをしている間にも、ゴブリンキングは突進してくる。
地面を砕きながら。
一直線に。
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修司は深呼吸した。
そして――
前へ出た。
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ドンッ!!
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正面から拳を叩き込む。
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ゴブリンキングの顔が横にぶれる。
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沈黙。
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「え?」
修司が固まる。
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「え?」
エルナも固まる。
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「え?」
ミーナも固まる。
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ゴブリンキングの方がもっと固まっていた。
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次の瞬間。
巨体が吹っ飛んだ。
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ドゴォォォォォン!!
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木を三本なぎ倒しながら転がる。
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「強っ!!」
エルナが叫んだ。
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修司自身が一番驚いていた。
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「こんなに?」
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レベルアップ恐るべし。
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しかし。
ゴブリンキングはまだ立ち上がる。
血を流しながら。
怒り狂いながら。
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「グオオオオ!!」
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その姿を見て。
修司は少し笑った。
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「諦めないんだな」
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昔の自分なら。
とっくに諦めていた。
夢も。
挑戦も。
人生も。
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でも今は違う。
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「俺もだ」
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修司は駆けた。
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速い。
自分でも驚くほど。
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【走力 Lv3→Lv4】
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「また上がった!」
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ゴブリンキングの斧が振り下ろされる。
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だが。
見える。
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避けられる。
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【回避 Lv13→Lv14】
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修司は懐に潜り込む。
そして。
全力の一撃。
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ドゴォォォォン!!
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拳が腹にめり込む。
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ゴブリンキングの目が見開かれた。
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そして。
巨体が崩れる。
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ズゥゥゥン……
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森が静かになった。
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勝った。
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ゴブリンキング討伐。
成功。
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しばらく誰も動かなかった。
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最初に動いたのはミーナだった。
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「ご飯だー!!」
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「何が!?」
エルナが叫ぶ。
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「勝利のご飯!」
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「そっち!?」
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修司は笑った。
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すると。
頭の中に文字が現れる。
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【ゴブリンキング討伐】
【大量経験値獲得】
【Lv10→Lv15】
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「また!?」
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【称号獲得】
### 『遅咲きの挑戦者』
効果:
努力による成長速度上昇
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修司は静かに称号を見つめた。
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遅咲き。
その言葉が不思議と嬉しかった。
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若くなくてもいい。
遅くてもいい。
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進み続ければ。
人は変われる。
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その日の夕方。
三人は依頼を達成し、町へ戻った。
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門番が目を丸くする。
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「お前たちが倒したのか?」
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「たぶん」
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「ゴブリンキングを?」
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「たぶん」
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「たぶんじゃないだろ!」
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町中が大騒ぎになった。
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その夜。
初めての宿屋。
初めての報酬。
初めての仲間との食事。
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ミーナは肉を十皿食べた。
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エルナは呆れていた。
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修司は笑っていた。
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気づけば。
孤独だった五十歳のおじさんの隣には。
仲間がいた。
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そして。
この町で彼らはまだ知らない。
王国を揺るがす大事件が始まろうとしていることを。
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## 次回予告
### 第6話
**「王女様、家出してくる」**
宿屋でのんびりする修司たち。
しかし窓から飛び込んできたのは――
まさかの王女様!?
「かくまってください!」
「なんで!?」
笑いと騒動がさらに加速!
新ヒロイン登場!




