# 第2話 ## 「エルフ少女、なぜか弟子になる」
# 第2話
## 「エルフ少女、なぜか弟子になる」
「はあっ!!」
修司は木の枝を振った。
バシッ!
狼の鼻先に当たる。
狼が怯んだ。
その隙に少女が魔法を放つ。
「風よ!」
ビュオオオ!!
突風が狼を吹き飛ばした。
狼は悲鳴を上げながら森へ逃げていく。
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静寂。
修司はその場に座り込んだ。
「た、助かった……」
全身汗だくだった。
すると少女が近づいてきた。
金色の長い髪。
透き通るような白い肌。
耳は長い。
エルフだった。
とんでもなく美人だった。
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「あなた……何者?」
少女が聞く。
「坂本修司。五十歳」
「ごじゅ……?」
少女は固まった。
「五十歳!?」
「そうだけど?」
「見えない!」
「いや普通に五十歳だぞ」
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少女は頭を抱えた。
「信じられないんだけど!」
どうやらこれが口癖らしい。
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「私はエルナ!」
少女は胸を張った。
「エルフ族の天才魔法使いよ!」
「おお」
「おお、だけ?」
「すごいな」
「もっと驚きなさい!」
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元気な子だった。
修司は少し笑った。
久しぶりだった。
こんな風に誰かと話して笑うのは。
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その時だった。
頭の中にまた文字が浮かぶ。
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【会話 Lv1→Lv2】
【笑顔 Lv1→Lv2】
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「そこも成長するの!?」
修司は思わず叫んだ。
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エルナが首を傾げる。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
この能力。
どうやら戦闘だけではないらしい。
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その後。
二人は近くの町へ向かった。
歩きながら話す。
「おじさん」
「なんだ?」
「なんで狼に向かったの?」
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修司は少し考えた。
「放っておけなかった」
「死ぬかもしれなかったのに?」
「そうだな」
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エルナは黙った。
そして小さく言った。
「普通は逃げるのに」
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修司は笑った。
「昔の俺なら逃げたかもな」
「今は違うの?」
「ああ」
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空を見上げる。
青い空。
異世界の空。
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「人生をやり直せるなら」
「?」
「挑戦したいと思ったんだ」
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エルナは少しだけその横顔を見つめた。
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町が見えてきた。
石造りの門。
人々の賑わい。
異世界の町だった。
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「すごい……」
修司は思わず呟く。
本当に異世界なんだ。
ゲームや小説の世界みたいだ。
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しかし。
門番が二人を止めた。
「待て」
「?」
「入場税だ」
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修司の財布。
もちろんゼロ。
異世界のお金なんて持っていない。
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「お金ないです」
「なら入れない」
即答だった。
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修司とエルナは顔を見合わせる。
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「どうする?」
「働くしかないな」
「今から?」
「今から」
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すると門の近くに貼り紙があった。
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【緊急募集】
【ゴブリン討伐】
【報酬 銀貨5枚】
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修司が指差す。
「これだ」
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エルナが叫んだ。
「無理無理無理!」
「なんで?」
「初心者が行く相手じゃない!」
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しかし修司は歩き出していた。
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【挑戦心 Lv2→Lv3】
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頭の中に文字が浮かぶ。
修司は笑う。
「大丈夫だ」
「根拠は?」
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修司は答えた。
「まだ伸びる」
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エルナは頭を抱えた。
「信じられないんだけど!」
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こうして。
五十歳の新人冒険者と、
天才エルフ少女の奇妙なコンビは、
初めての依頼へ向かうことになる。
だが二人はまだ知らない。
この依頼の途中で、
食いしん坊の猫耳少女ミーナと出会うことを。
そしてその出会いが、
後に世界を変える伝説のパーティーの始まりになることを――。
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## 次回予告
### 第3話
**「猫耳少女、お弁当を守るために戦う」**
ゴブリン討伐へ向かう修司たち。
しかし森で出会ったのは、
ゴブリンよりもお腹を空かせた猫耳少女だった!?
「そのパンは渡さない!」
「いや誰も取らないから!」
笑いと騒動の新メンバー加入回!




