# 第18話(後編) ## 「七災将第一席」
# 第18話(後編)
## 「七災将第一席」
修司が前へ出る。
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目の前にいる男。
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七災将第一席。
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《白滅のゼクト》
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存在感が違った。
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グレンと戦った時の圧迫感とは比較にならない。
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立っているだけ。
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それだけなのに。
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空気が重い。
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呼吸すら苦しくなる。
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エルナが杖を握る。
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「冗談でしょ……」
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セシリアの額にも汗が浮かぶ。
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「これほどとは……」
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ゼクトは修司を見つめる。
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まるで品定めするように。
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「お前が無限成長」
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「そうだ」
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「なるほど」
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ゼクトは興味なさそうに呟いた。
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「弱いな」
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沈黙。
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ミーナが怒る。
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「なんだと!」
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しかし。
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ゼクトは見てもいない。
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まるで。
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道端の石ころを見る程度の関心しかなかった。
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「今は殺す価値もない」
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その言葉に。
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修司の拳が震えた。
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悔しい。
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だが。
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反論できない。
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実力差は明らかだった。
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その時。
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ガイアスが前へ出る。
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「ほう」
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ゼクトの目が少しだけ細くなる。
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初めて反応した。
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「王国最強」
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ガイアスは笑う。
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「若造」
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「久しぶりじゃのう」
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ゼクトも微笑む。
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だが冷たい。
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恐ろしく冷たい笑顔だった。
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「十年前以来か」
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修司たちは驚く。
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知り合いだったのか。
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ガイアスの表情が険しくなる。
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「お前は昔から変わらん」
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「世界を憎んでおる」
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ゼクトは空を見る。
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「世界に価値などない」
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「人は愚かだ」
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「争い」
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「奪い」
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「裏切る」
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静かな声。
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だが。
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どこか悲しかった。
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修司は気づいた。
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この男。
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未来の自分に少し似ている。
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大切なものを失った人間の目をしていた。
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ゼクトは言う。
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「だから壊す」
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「全てを平等な無へ帰す」
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ミーナが首を傾げる。
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「難しい」
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「簡単に言うと?」
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ゼクトが答える。
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「全員死ぬ」
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「最低だな!」
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ミーナが即答した。
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一瞬。
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場の空気が変になる。
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エルナが吹き出した。
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「その通りね」
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セシリアも頷く。
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「分かりやすい」
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修司も笑った。
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そして。
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前へ出る。
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「だったら止める」
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ゼクトが見る。
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「お前が?」
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「俺たちが」
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修司は後ろを見る。
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仲間たち。
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みんなが立っている。
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誰一人逃げない。
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ゼクトは少し黙った。
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そして。
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ほんの少しだけ。
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寂しそうに笑った。
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「昔の私もそうだった」
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その言葉。
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修司は聞き逃さなかった。
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昔の私。
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つまり。
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ゼクトもかつては。
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誰かを守ろうとした人間だった。
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その瞬間。
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ルナの未来視が発動する。
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赤い瞳が輝く。
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「っ!」
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苦しそうに頭を押さえる。
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「ルナ!」
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修司が支える。
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ルナは震える声で言った。
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「見えました……」
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「何が見えた!」
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ルナの顔が真っ青になる。
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「王都です」
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全員が息を呑む。
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「もう始まっています」
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「何が!」
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ルナは叫んだ。
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「王城襲撃です!!」
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静寂。
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次の瞬間。
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ゼクトの姿が消えた。
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「なっ!?」
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誰も反応できない。
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速すぎた。
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空に残った声だけが響く。
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「来るがいい」
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「無限成長」
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「絶望の意味を教えてやろう」
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そして。
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王都の方角。
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巨大な白い光が天へ伸びた。
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ドォォォォォォォン!!
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王城が襲われている。
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修司は拳を握る。
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未来を変える戦い。
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その時が来た。
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「行くぞ!!」
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仲間たちが頷く。
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全員で駆け出す。
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王を守るため。
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未来を変えるため。
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そして。
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自分自身の運命に勝つために――。
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## 次回
# 第19話
## 「王城炎上」
七災将第一席ゼクト襲来!
王城崩壊!
王を狙う刺客!
そして現れる謎の黒騎士――。
その正体は未来の修司を知る人物だった!
「遅かったな、英雄」
王都決戦編、開幕!




