ガッポガポの初喫食ボーナス
「ちょこまかとした敵だったな……つーか、食えんのかこれ」
武宮がこくりと頷く。
「パリパリ食感らしい。せんべいみたいな感じだ」
「へ~」
五十嵐がロボットの一部をナイフで切り取り、破片を武宮へ与えた。とても食事とは思えぬ絵面であったが、ロボットのフォルムはせんべいに似たパリパリ食感へと早変わりしていて、味がつけば美味しくなるポテンシャルを感じさせるものであった。
「はい、あ~ん」
先ほどはやらなかったのに、復活していた。
工藤と如月の前なので、恥ずかしい。
「あ、あーん」
バリボリバリボリ。
如月がいいな~、と声を上げる。
「あーしもああいう、なんでも受け止めてくれそーな彼氏ほしい~」
工藤がびく、と体を震わす。
「おい。五十嵐を刺激するようなことを言うなっての」
「ヘラっても優しくしてくれそ~。ドキドキ」
「このギャル、マジでメンヘラかよ……オレはこのパーティーが怖いぜ……」
そしてロボットを一通り食べ終えた武宮に、初喫食ボーナスが入っていく。
『――グルメリストにレッドスパイダーロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、防御+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにブルースパイダーロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、防御+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにイエロースパイダーロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、防御+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにグリーンスパイダーロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、防御+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにパープルスパイダーロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、防御+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにブラックスパイダーロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、防御+5、俊敏+5加算されます』
一気に6体分の初喫食ボーナス。
やはりここのダンジョンを選んで正解だった、と武宮は高揚した。しかも1体1体の上がり幅もわるくない。3項目上げてくれる。
(料理ボーナスは、MPと攻撃で50ずつにしよう)
MPを上げて、よりトレースアーツを使用していきたいところだ。
クモ型ロボットを倒したところで、扉は開いたので、4人は通路を再び歩く。
道中も同じモンスターが出てきたが、6体出てくることはない。安全に、前衛だけで処理することが出来た。
そして別のフロアへ移動。先ほどと似たギミックが配置されていた。ただし、ボタンの種類は5種類になっている。追加された色はピンクだ。
武宮がボタンへ手を置く。
「よし工藤。頼んだぞ」
「……」
「どうした」
「いや、お前がどうしたんだっての。どうせ外すんだろ?」
「何故わかった?」
「むしろ聞かせてくれ。何故、わからないと思う要素があんだよ?」
「工藤は相変わらず、頭が良いな」
「誰だってわかるっつーの」
「ちなみにあともう1タイプのモンスターと、レアモンスター。その2パターンを引き当てたい」
「それまではひたすらギミックを失敗するつもりか?」
「そうだ。ちなみに、ボスフロアへ辿りつくには、5回このギミックを成功させる必要がある。つまり、失敗した時に開いている扉は、ボスフロアへ近づいていない方角の扉なんだ」
「そーいうことか。成功する必要性は、そこにあんのな。で、オレらはこれからお前のユニークスキルのために、レアモンスター厳選作業すると」
「悪いな」
「いーってもんよ。まあ、そもそもダンジョンの基本はレベル上げだしな。結局、やることは変わらねーよ」
そして再びボタンを起動。
もちろんわざと失敗する。すると今度は、赤、青、緑、黄、紫、ピンクの大型犬の形をしたロボットが降ってきた。
しかしクモ型のロボットと似たような性能で、スピード以外はさほど強力ではない。
それに4人パーティーになったことによる安定性があった。
1体1体確実に処理し、難なく討伐を完了する。
そして五十嵐の「はい、あーん」によって初喫食ボーナスを得た。
『――グルメリストにレッドドッグロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、攻撃+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにブルードッグロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、攻撃+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにイエロードッグロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、攻撃+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにグリーンドッグロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、攻撃+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにパープルドッグロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、攻撃+5、俊敏+5加算されます』
『――グルメリストにブラックドッグロボが追加されました。初喫食ボーナス、HP+5、攻撃+5、俊敏+5加算されます』
今までで一番良いペースの初喫食ボーナスである。




