〜幕間〜
そこにあるのは、下半身を失って倒れ伏した少年、刈岡迅火と、J-ノグリーフ研究総長沖田遼平。
さらにその隣には、迅火に決定打を与えたf-ノグリーフ所属のフレイ・ドルセラー。
そしてそのさらに奥には──
日本神話の黄泉の国の永久王者、伊邪那美。
勝負がつき、訪れる静寂。
勝利の余韻はそこにはなく、ただただ沈黙の冷気が漂うのみ。
しかし、その時。
突如────
ピカアアァァァァァァァァァァァァン‼︎
迅火の体が、眩く発光する。
それは、そこにいる全員の目を炊くかのような眩さ。
「ッ……」
「なんだ……?」
沖田とフレイが同時に声を上げる。
突然の発光に戸惑っているようだ。
ジュワアアァァァァァァ……‼︎
そして輝きはさらにその強さを増し、地面を焼く。
「これは……まさかッ‼︎」
沖田が叫ぶ。
「これは……、なんだ!おい!」
フレイはその先を急かす。
そして伊邪那美はその様子を、目に障壁を張りながら傍観している。
「『覚醒』の異能だッ……‼︎」
「‼︎」
その光は規模を拡大し、まわりの建物をゆうに超える高さまで到達。
「だが、『覚醒』って……一体、どんな能力なんだよッ!」
「知るか!そもそも、作ったのは伊邪那美で……、っておい、お前は何か知ってるのか⁉︎」
沖田は伊邪那美に、悲鳴にも似た怒号を飛ばす。
そしてその間にも、さらにその光は巨大化してゆく。
「……」
だが伊邪那美は問いには答えず、ただその景色を眺めているのみ。
「……クソッ!無視かよッ」
光はなおも巨大化を続け──終わるころには、その光の範囲は数百キロメートルまでに及んでいた。
だが驚くことに、その光源はたった一人の少年。
ピカアアァァァァァァ……、パァァン‼︎‼︎
そして光は弾け飛び、粒子となって舞い落ちる。
そんな大規模な光を生み出した張本人、迅火はというと──
意識はない。
だが、先ほどまでの傷は完治している。
加えて、その体の周りには粒子による障壁ができており、どんな攻撃であろうと弾き返すほどの強度を持っているものであった。
「……⁉︎なんだ、これは……」
「『覚醒』の能力……ここまで厄介なものだったのかよッ‼︎」
そして、この眩すぎる光を受けて、目を覚まさない住民などいない。
その時、光の及んだ範囲にいた誰もが、外に出て不思議そうに空を見上げるのであった。
「……迅火……ッッ」
フレイは苦虫を噛み潰したような顔で迅火を睨む。
そして、この出来事は──
戦争という形で、集結することになる。




