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ここから先の俺は、ただの殺戮マシーンと化す。
もちろん、裏切ったフレイに対しても同じだ。
「……そこだな」
俺は狂気の視線を向けて突進し、イザナミに襲いかかる。
上半身の傷から血が溢れ出すが、それがどうしたというのだ。俺が今までに傷つけられた痛みに比べれば───
「……まだ生きてたのか……しぶとっ」
イザナミはそのうざったらしく気怠そうな態度を変えず、両手をのろのろと上に掲げた。
俺はその目障りな両手を───
斬。
視界に入り込んだビジョンの通りに駆け抜け、剣を振り抜く。
防御は間に合っていない。
そのまま腕を跳ね飛ばし───
舞う血華。
螺旋状の血飛沫。
俺の残像と、勢いよく上に飛んだイザナミの腕。
「……!」
俺は『予見』で、フレイの追撃を感知。そのまま、後ろから迫ってくる攻撃を防御し、後ろにいるフレイとイザナミの方を振り返る。
「……!貴様……」
イザナミの形相が変わる。
そりゃそうだ、目障りなやつに両手撥ねられて怒らないやつなんざいない。
ましてやそれが、親不孝な子供だったら?
俺はフレイの剣を弾き飛ばし、体勢の崩れたフレイをそのまま蹴っ飛ばす。
そしてイザナミを見ると。
「"迅く、死ね"」
それは神の発する祝詞とは到底思えない、罵倒の言葉。
だがこれがイザナミの本性というものなのだ──
無数の光がイザナミを包む。
そしてそれらは羽衣を溶かし、包み、再生成するように──
「悪いがそれを黙ってみてる義理はないんでな」
俺は眩い光の中へ突っ込む。
中がどうなっているのか知らないが、羽衣が溶け防具が外れた今はチャンスといえる。
フレイがもがき苦しんでいる間に──
「"天の加護"」
その瞬間、俺は光に弾き飛ばされた。
「がぁッ」
その衝撃は強く、三、四回地面を転がってもまだ止まらない。
外傷はなさそうだが、一体これは──
思う間もなく、反撃は始まる。
「……この罪を償え。神である私に誓って」
イザナミは、そこで両手を前に掲げ、新たな羽衣を装備していった。
「……⁉︎」
両手を、前に掲げ⁉︎
確実に、俺がさっき撥ね飛ばした。
ちゃんとその感覚もあったし、幻視やその類のものでもないはず。
となれば、答えはひとつ。
「再生すんのかよ、クソが……!」
斬っても斬っても復活する、不死身の死神。
それに対する俺は、ただ少し未来視ができるだけの人間。
勝機はない。
しかし、……
中途半端ですが、書きかけというわけではありません。
気取りまくった表現技法()です。




