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俺はとイザナミの間を吹く、一陣の潮風。
それは俺とイザナミとの冷えた関係をしっかりと表していた。むしろ助長して──
「俺を造ったのは、お前だろ?」
もうここまでくると、むしろ動揺とか狼狽とかそういった概念がなくなる。ただただ事実を受け止めるのみ。
そしてそれは、「俺がイザナミに造られた存在である」という事実でも然り。
俺の問いに、イザナミは。
「……ああ、あの気まぐれ。それお前だったんだ」
普段の俺なら、気まぐれと聞いたら理性を飛ばして殺しにかかっていたところだろう。
だが生憎、今はこの半精神崩壊状態。どうってことなない。
「なら、俺の生みの親はお前だったってことでいいんだな?」
「……ちょっと違う。私はただ、祝詞を唱えて異能を弄っただけ」
異能──それはつまり、『アビリティ』だろう。
ただ気になるのは、「弄った」というところ。
そうなると、やはり俺は普通の人間の子だったということになる。
まあ、それは俺の過去の記憶と照合しても正しいとわかる。
問題は、弄られた時期。
「殺す相手に訊くのも不思議だが……つまり、お前が第三次世界大戦を引き起こしたという認識でいいか?」
それなら俺は、イザナミの気まぐれにずっと病んできたということになる。
それはさすがに看過できない。
俺の自我が戻ったとき、どうなることか。
──しかしやはり、イザナミはこう答える。
それは俺も薄々わかっていて。
「あー、多分そうかもね。というかさっきからうるさい。邪魔だし、命令されてるからさっさと消えて」
イザナミは言い終わらぬうちに、剣を構える。
……これだけ情報が手に入れば十分だ。
あとは、こいつを殺すのみ。
改めて──いくぞイザナミ‼︎




