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「……っ」
俺は、目を覚ます。
確か、さっき、…………
まだ思考が朦朧とする。
ここはどこだ?今は何時?なぜ、こんな状況に?一体、何が、どうなって……。
「……剣?」
俺の近くに落ちている剣を見つける。
確かこれは、俺が国際協会から持ち出した……
剣があるということは、俺は戦っていたということだ。
戦っていた、か。……ああ、ここは倉庫街か?
段々と、俺の思考が戻ってくる。
「俺は確か、賢斗と夜にここに来て、前の通り録画を……」
夜。俺はそう呟いて、ふとあたりを見渡した。
まだ真っ暗。そして、俺が気絶する前は──
‼︎
今は何時だ⁉︎
俺は動揺する。
おそらく、沖田と戦ったのが午後11時ごろ。そして今も、まだ日が昇る様子はない。ならば午前2〜3時くらいか。
……。
とりあえず、もう一度あたりを見渡す。
賢斗も確か気絶していて……
そこで俺は、沖田の言葉を思い出した。
"麻酔をかけた"
それはつまり……科学鎧による力か。
電流が流れたということは、スタンガンのしくみを応用していたのだろうか。
そんなことはどうでもいい。
賢斗の無事──とは言い切れないが、確認ができた以上は次だ。
俺は手始めに、落ちていた剣を拾い、剣帯にしまう。
「……」
ここまで話が大きくなった以上、日が昇る前にひと段落させないといけない。特に、賢斗が気絶させられたのなら。
とすれば、沖田と再戦するしかないのか……?
─────。
それならいい。
探し出して、情報を吐かせたら口封じ。
そして事実の隠蔽。
なかなかに大変だが、やるしかない。
「どこだ、沖田……!」
俺の『アビリティ』に索敵するものはない。『予見』で過去が観られるわけではないし、『覚醒』に至ってはそもそも謎に包まれている。
だが関係あるものか。
とにかく沖田の居場所を突き止め、乗り込むしかない。
「……くそ……!」
だがアテがない。
J-ノグリーフにもいるかもしれないが、その場合は厳重な警備をかいくぐらないといけない。人間とAIによる、二重の警備を。
それは俺としても避けたい。大変なのはあるが、そもそも突破し沖田と対面できる可能性が低い。
あくまで俺は、表に見えないよう動かなければならないのだ。それが、また行動の選択肢を狭める──
「どこだよ」
ああ、もう。
まどろっこしい。
何か方法はないのか。
いや、そんなものを探している暇はない。
だがそうでないと時間がかかりすぎて──
いや、そもそもこうしている間にも時間は──
ここで立ち止まっていちゃ──
こんな思考も面倒くさい──
ああ、だからこんな無駄な思考はいらないんだよ──
いや、そんなことはわかっている──
ややこしい、何から手をつければいいんだ──
あの沖田の野郎、どこに行きやがった──
隠れんな、あの研究科学クソ野郎──
ああもう、悪態をついても仕方ないじゃねぇかよ──
「ああぁああぁぁああぁぁぁぁ‼︎」
さっさと見つけだしてやる。
なんだったら、第六感でも覚醒させてやる──
覚醒させて──
「……そこか」
ここから南東に85キロと3メートル47センチ。
瞬時に、俺の頭の中に情報が入ってきた。
いや、俺自身がその情報を嗅ぎ取った。
「……ならばもう迷いはない」
俺は呟き、即座に走りだした。




