死刑囚と少女&望まぬ再会
いきなりリコを連れて帰り、場内大騒ぎになるもリコの存在がやっと馴染んで来た
そんなある日
「なぁテンガ君…君達旅立って言ってたよね?」
「俺もその気だったんだけどな…王様ってあれだな、多忙だな」
「俺には譲るとかって言ってもテンガ君が出なきゃいけない場合も結構あるしね」
「まぁ時間が出来たら旅立つさところでよ、リコ知らねぇか?」
「さぁ?場内では見てないね」
「あいつどこ行ってんだ…本がほしいって言うから買ってやったけどそれ以来、飯と寝るとき以外姿見せやしない」
「リコなら静かな場所で本を読んでいるって言っておったがの」
「アイリ場所しってんのか?」
「妾にも教えてくれなんだ…」
「魔眼で探してもいないし…かといってそんな遠くに行ってるとも思えないし」
「本のことならアルミナさんの所じゃないのか?」
「俺もそう思ったけど、アルミナの所には本を借りに来るくらいだそうだ」
「ちょっと待って!あの子あの年でアルミナさんと同じ本を読んでるの?」
「ああ、勉強と本が好きなんだと…レイラより頭いいと思ってるよ俺は」
「間違いない」
「二人とも言い過ぎだよ」
「俺たちに言えない場所で本を読んでるって事だよな」
「この城には特別立ち入り禁止の場所は設けてないはずじゃが」
「あっ!」
「なんだよ?心当たりあるのか?」
「牢獄だ!!」
「うちにそんなもんあるの?」
「知らなかったの?というか君達の革命前の罪人の処理をどうするか書類を提出したよね?」
「しらね」
「ハルキも苦労が絶えぬな」
「ありがとうアイリスさん…一応罪人として捕らわれているけどシャルド国家の事だから冤罪で捕まってるかもってね、だから調書も信用ならないし」
「んで?なんでそんなところにリコ居るんだよ?」
「確かに共同部屋とかのフロアはうるさいけど、その下の重罪人のフロアは各フロア一人ずつの個室だから静かなはず、あと彼処は魔法の防衛陣を張ってるから魔眼で見つけられないのも仕方ない、それにあの子獣人だったよね?獣は体温高いでしょ?あそこは地下だしひんやりしてるから過ごしやすいんじゃないかな?」
「て言うか看守はなにしてんだよ?普通ガキがそんな所に来たら、俺やお前に報告がくるだろ?」
「本当の親子じゃないにしても立場上はお姫さまだからね……一般兵士はリコちゃんに黙っててって言われたら黙るしかないさ」
「あーーなるほどぉ……あんのガキが…ハルキ、アイリ行くぞ」
「はいはーい」
「リコに何かがあっては遅いからの」
ハルキに地下に案内してもらい牢獄に入るもやはり犯罪者の集まりろくな場所では無かった
「お疲れさまです!!テンガ様!」
看守長がハキハキと挨拶してきた
「ああ、お疲れ…リコ来てる?」
「リコ様ですか……そのぉ…」
「よい…その反応でわかる、来ておるのだろう」
「申し訳ございません!!」
「気にすんな、リコに口止めされてたんだろ?んで何処よ?」
「地下7階の…死刑囚…レオン・ガレアスの階です」
「なんで、そやつの階なのじゃ?」
「リコ様は…レオンは優しいし一緒に本を読んでくれると申しておりました」
「まさか牢屋に入ってんのか?!」
「最初は入りたいとおっしゃっていたのですが、流石にそれは許可できませんでした!リコ様は扉越しに話ておいでです!」
「なるほどよくわかった、テンガ君達は先に降りといて、レオンの資料と調書を貰ってからすぐ行くから」
「さぁて、行きますか」
二人で地下へと降りていく
「なぁ……お前なんで毎日俺のところへ来る?俺が死刑囚で極悪人なのはしってんだろ」
「そうかなぁ?お兄ちゃん優しい感じがするよ?それに、リコはもっと悪い人知ってるもん」
「他の死刑囚の事か?」
「リコのお父さんだよ!本当のお父さんじゃないけどね、お兄ちゃん多分人を殺してるんでしょ?お父さんはね、とっても優しいけどお兄ちゃんの何倍も人を殺してるんだ」
「…………………………」
「私ね…殺すって悪いことなのかなっておもうんだ…例えば正義のヒーローが悪い怪人を倒すでしょ?でもそれは殺したって事だけど誰もそれを責めないよね?」
「…………………………」
「私はね…殺したって事よりも、なんで殺したのかって事が重要なんだと思ってるんだ…」
「そうか…」
「でもお父さんもお兄ちゃんも、その殺すって事を正当化せずにちゃんと受け止めているでしょ?自分は悪い人なんだって、正義のヒーローは敵を倒してもそれは当然だって考えているから」
「お前本当にガキか……」
「私は良い人も悪い人もたくさん知ってるよ…その私が言うんだもんお兄ちゃんは良い極悪人だよ」
「そうか………」
「リコ!!!」
「え?お父さん!!」
「やっと見つけたぞ…」
「あのぉ…ごめんなさい」
「はぁ?出掛けるときはいく場所を言えってんだよ別に、何処に行こうが文句は言わねえよ」
「じゃあいいの?」
「もちろんじゃ」
「レオンって言ったっけ?ガキが世話になったな」
「別に構わない……」
「テンガ君!!」
「遅かったな…」
「レオン・ガレアス 19才 罪状はランフィードの貴族及びその他28名の殺人、両親は共に他界唯一の肉親の幼い妹は行方不明 だってさ」
「ほぉ…」
「殺した理由は?」
「金品目的の強盗殺人らしいんだけど……調書が矛盾してるんだよね、強盗なんだけど盗まれた金品に関する所載が何処にも載ってないんだよ……」
「おい……レオン…なんで殺したんだ…俺は一応相手の記憶を覗くことができるけど、どうする?俺の口から言おうか?」
「……………俺から言おう」
「あれは1年前…
両親が死んでから、俺は妹と二人で貧しいながら頑張って暮らしてたんだが、ある日俺が仕事から帰るといつも家に居るはずの妹が消えてたんだ…その頃よく子供が消えていたからすぐに拐われたと思った…色んな奴に話を聞いて行き着いたのが、奴隷商だったその奴隷商とグルになって国外へ奴隷を売っていたのがその貴族だ…」
辛き過去を語るレオンの声は後悔と憎しみに満ちていた
「俺は妹を返して貰うために貴族の屋敷に乗り込んだ…ちょうど首輪をつけられた妹が売られる瞬間だった、妹を奪い返そうと大暴れしたが奴隷商の奴等に足止めさせられ、その間に妹は国外への売られていった…その後はあんまり覚えてない…気がついたら皆殺しにされている貴族共と多数の兵士に取り押さえられた俺がいた」
「1人かぁ…だとしたらお主相当の実力者じゃの」
「レオンの仕事は国境警備隊だからね、あそこは他国とのいざこざが絶えない場所だから実力者しか派遣されないんだよ」
「へーーー……よしっ!釈放!!」
「え?」
「いいの?お父さん?」
「別にいいんじゃね?逆になにが悪いんだ?」
「この事件はね…国中が知ってる事件だからね、その犯人が釈放されたってなったら大騒ぎになるよ」
「知るか…釈放って言ったら釈放だ!間違ったことしてねぇ奴を捕まえとく方が国としてどうかしてるぜ」
「はぁ…わかったよ、手続きしておく」
「勝手に話を進めんじゃねぇ、俺は出る気無いからな」
「と言っておるが?どうするのじゃ?」
「はぁ?あのなぁ、ここに居る理由が無い奴をここに入れるとくわけにいかねぇの!それともなにか?働きたくないのか、そこで死ぬまでヒモ生活続けてろ糞ニート!生憎うちには働きもしない糞ニートに食わせられるほど金持ちでもねぇしな」
「好きに言え…」
「お兄ちゃん…もしだよ、お兄ちゃんの妹さんが逃げ出してランフィードに戻って来たとしてもお兄ちゃんに会えないんだよ?もしかしたら今でもお兄ちゃんが助けてくれるかも知れないって待ってるかもしれないんだよ!!こんな所で時間を無駄にしている暇なんかないんだよ!!」
「……………」
「どうするのじゃ?出るのか、出ないのか」
「出してくれないか…頼む」
「頼まれなくても出すわ」
そう言うと重厚な扉を片手で引きちぎった
そこには両腕両足を鎖で地面に縫い付けられたレオンの姿があった
「早く外してくれ…肩が痛い」
「カマトトぶってんじゃねぇよ、そんな細い鎖引きちぎれるだろうが」
バキィン!バキィン!
鎖を引きちぎり、首に手をあてボキボキと骨を鳴らしながら大きく背伸びした
「お勤めごくろうさん、さて…この後だけど、お前俺の仲間になれよ」
「何をいっておる?強いと申してもそれは普通の人間の話ではないか!!そんな者を!」
「うるせぇな…黙ってろ…」
「はぁ……この男は…」
「悪いけど俺はすぐにでも妹を探すために旅に出たい」
「それは認めねぇ…」
「なんだと?」
「大丈夫だよ!!私のねお姉ちゃんも奴隷商に売られたの…でもお父さん絶対に見つけてくれるって!」
「仲間になった以上俺達はファミリーだ…身内の困り事はみんなで解決する」
「すまない……」
「それに立場上俺の部下の方が動きやすいしな」
「……助かる」
「んで、お前にはリコの護衛をしてもらう、分かってるとは思うけどコイツ俺らに黙って色んな事するから困ってんだよ…そこでお前リコと一緒に居てくれ」
「分かった」
「お兄ちゃんと一緒だぁ!!」
「んじゃ、リコはアイリとハルキと部屋に戻ってくれ…アイリはレイラ達に事の顛末とレオンについて説明しててくれ」
「任せるのじゃ…行くぞリコ」
「レオン…俺についてこい… お前ら に話がある……」
そう言うとテンガはレオンを連れて地下のさらに地下、元神デウスの部屋へと連れていった
「久しいのテンガ」
「ようジジイ…だいぶ良くなったな」
「お陰でな…ここに来た用件はその男と中の奴か……なるほど確かにルシファーがサシで話すのを嫌がるわけか」
「まぁな」
「転生してまでワシに忠義を尽くしてくれるか…ミカエルよ」
「…………………」
「お久し振りでございます…デウス様そして兄上…」




