第8遭遇
私の発言に一瞬目を見開いて。
けれど次の瞬間には冷めた色が琥珀色の瞳に広がりました。
「ある意味、その通りかな?」
「身体目当てが?」
王子様マニアック路線説、大!! ですか!?
・・・・・・
けれどそんな発言は出来ない雰囲気です。
暖かな陽射しの下にいるはずなのに私の腕には鳥肌が立っています。
「子供を産むっていうことは、結婚」
結婚をするってことですよね?
けれど言葉を続けることはできませんでした。
さっき「冷めた色」だと思ったのはぬるま湯程度の温度はあったんですね。
今、「絶対零度」という温度を目で見ている気分です。
「必要なのは君のDNA。だから好きとかいう感情も必要ないし、結婚なんてものもありえない」
「DNA?」
「そう、DNA」
私の遺伝子情報がいる、ということでしょうか?
「難しいことを説明しても理解できないと思うから言わないけど」
そう前置きをして、爽やかに笑いながら言葉を続ける。
「本当なら生殖活動をして子供を作るんだろうけど、こればっかりは無理強い出来ないしね」
王子様の言葉に身体がビクリと震える。
本当に無理強いは勘弁してください。
「なんなら体外受精でもいいし、最悪遺伝子情報だけでもいいんだ」
王子様の爽やかな笑顔と話す内容がかけ離れていて頭がついてきません。
けれどそんなことお構いなく王子様は続けます。
「要は、俺と君の子供であればいい」
王子様の人となり、なんて欠片も知りません。
知ってるのは容姿と噂ぐらいです。
そして今日、初めて目を見て話をしました。
「とりあえず少ししゃがんでもらってもいいですか?」
「?」
私の言葉に不思議そうな顔をしながらも王子様は少し膝を曲げしゃがんでくれました。
見上げる位置にあった顔が、今、私の手の届く高さにあります。
自分とは比べ物にならないぐらいのキレイな顔が近づいて。
自分で頼んでおきながら
”うっぎゃーーーー”
ジタバタと騒ぐ私の心。
それを、大きく息を吸い込み吐きだし、少し落ち着かせ
右の掌を開いて思いっきりフルスイング!!
バッチン!!
頬を叩いた音と共に掌がジンっと痺れるような感覚。
「返事は以上です!!」
想像もしなかった行動に王子様は目を大きく見開いています。
驚いたせいなのか、さっきまでの「絶対零度」色の瞳ではない、淡く優しい琥珀色の瞳。
自分とは全く違う色に、一瞬吸い込まれそうな、感覚。
そんな感覚が怖くて。
私は慌てて踵を返し、その場を後にしました。
ようやく冒頭に繋がりました。
そして繋がったことで、第1遭遇を改訂しました。
・・・・・・とりあえず王子、黒い気がします(汗)
もし王子の発言で気分を害された方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。




