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ラップ付き小説 ReversCrown 元気ないやつこっちおいで  作者: egubi
暴れ牛ビーフ編

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61/186

3-1-3 任せる線

mcRC「この小説の歌は実際に聴けるから、聴きながら読んでみてくれよな」

聴く場合はこちら:

コピペしてブラウザに貼り付けて、、、。とぶぞ。


feel

https://youtu.be/vIFok9cHBFo?si=BltKDciOFT-jbGts


that’s live with DJ BEEF

https://youtu.be/-28obcZFELY?si=e0UzxlgkXGEdppOy


from now

https://youtu.be/HMrHGZu5vGM?si=68GTUXr0zvZq1b0W


no easy peace with DJ BEEF

https://youtu.be/tD71bFU1yBA?si=NjinWgSexnojMWrK


after dark

https://youtu.be/YYKz7xZNQ98?si=bLTnhd_RQNudNToF


hanz on deck

https://youtu.be/00k3jQ3UZXk?si=Hlg_DZCcdBnAZ4cR


リバクラチャンネル 全曲、過去曲

https://youtube.com/@revecro?si=Qj6kLxP2cwp1GXFX



ドアが閉まってから、しばらく誰も動かなかった。


廊下に五人の足音が遠ざかっていく。


Kateの落ち着いた声。

Miwaの少し跳ねるような笑い声。

Ninaが何かを小さく突っ込む声。

Saraの低めの確認の声。

Yuiがメモ帳を閉じる、ぱたんという音。


それらが、薄い壁の向こうで小さくなっていった。


そして、完全に聞こえなくなった。


リバクラボラトリーには、三人だけが残った。


机の上には、前職勢が置いていった資料がある。

白い紙。

きれいに揃えられたクリップ。

手書きではなく、印刷された見出し。

余白の取り方まで、妙に整っている。


提案

協力範囲

費用

リバクラブ案

情報管理

作業分担

音楽への関与範囲


wataは、しばらくその紙を見ていた。


それから、ゆっくり椅子にもたれた。


「……仕事できる人の資料やな」


EGUIが頷いた。


「読みやすい」


mcRCは、資料の一枚目に手を置いたまま、まだ何も言わなかった。


Kateたちが帰ったあと、彼の顔は少し違っていた。


安心した顔ではない。


嬉しそうでもある。

でも、少し困ってもいる。

胸の奥に何かを受け取って、それをどこに置けばいいか考えている顔だった。


wataはそれを見て、わざと少し軽く言った。


「元部長、泣く?」


mcRCは顔を上げた。


「泣かん」


「目ぇちょっとしっとりしてるで」


「してない」


EGUIが静かに言う。


「してる」


mcRCはEGUIを見る。


「お前まで言うな」


wataが笑った。


「部長語録、本人に返ってきたもんな」


「やめろ」


「いや、あれは効いたやろ」


mcRCは、反論しようとして、やめた。


効いた。


それは否定できなかった。


相手の立場で考える。

相手が求めることを想像する。

距離感を大切にする。

本気で本音でぶつかる。

伝わらなければ、伝わらない。

だから伝える。


昔、自分が彼女たちに言った言葉だった。


その時は、正しいことを言っているつもりだった。


いや、正しいから言ったわけではない。

必要だったから言った。

その時、その現場で、その人たちが壊れないように。

あるいは、自分の仕事をただこなすだけで終わらせないように。


でも、その言葉が今、自分たちを助ける形で戻ってきた。


それは、簡単に笑いにできるほど軽くなかった。


mcRCは、資料を一枚めくった。


「……すごいな」


wataが頷く。


「すごい」


EGUIも短く言う。


「かなり」


mcRCは、もう一度資料を見た。


そこには、役割ごとの担当案が並んでいる。


物販企画:Miwa

グッズ案。再販数の読み。原価と販売価格の整理。購入後に使いたくなる導線。ネタ商品の扱い。


告知販促:Nina

SNS投稿。切り抜きの見せ方。地域別の告知。投稿文の温度管理。煽りすぎない広げ方。


版権・法律・音源提出:Sara

音源利用。配信条件。会場側提出物。許可範囲。クレジット表記。未確認事項の洗い出し。


秘書・外部コンタクト:Kate

代表窓口。メール文面。日程調整。会場連絡。新川側との調整。返信漏れ防止。


庶務雑務・実務整理:Yui

タスク表。備品管理。発送補助。問い合わせ分類。議事録。抜け漏れ確認。


wataが資料を覗き込みながら言った。


「こうやって並ぶと、ほんまに右側が消えていくな」


mcRCは首を横に振った。


「消えるわけじゃない」


wataが見る。


mcRCは言った。


「見える場所に移るだけ」


EGUIが頷いた。


「誰かが持つなら、消えたことにはならない」


「うん」


mcRCは、指で資料の端をなぞった。


「俺らが見えなくなると、そこが危ない」


wataは、少しだけ黙った。


それは、Unseen Handsを歌った人間の言葉だった。


見えない手がある。

でも、見えないからと言って、都合よく使っていいわけではない。


むしろ、見えないものほど、名前をつける必要がある。


誰がやっているのか。

どれくらい時間がかかっているのか。

どこからが負担なのか。

いつ断っていいのか。

何にお金がかかっているのか。


そういうものを曖昧にした瞬間、支えは「当然」になる。


当然になった支えは、いつか人を削る。


EGUIは、水のペットボトルを机に置いた。


「だから、記録する」


mcRCが頷く。


「うん」


wataは資料をめくった。


「費用のとこ、ちゃんと書いてるな」


そこには、いくつかの項目があった。


初期:無償ではなく“実費記録期間”

交通費・備品費・発送関係費は記録

継続作業が発生する段階で協力費設定

物販利益から運営補助費の枠を作る案

作業時間が重くなった場合は見直し

断れる日を明文化する


wataは、少し感心したように言った。


「無償でやります!じゃないの、いいな」


EGUIが言う。


「最初から“無理したら言う”って言ってた」


「うん」


wataは頬杖をついた。


「俺、正直さ」


mcRCが見る。


「うん」


「手伝ってくれるって言われた時、めちゃ助かるやんって思ったんよ」


「うん」


「でも、同時にちょっと怖かった」


EGUIが視線を向ける。


wataは、言葉を探すように資料を見た。


「ファンってさ、ありがたいけど、近くなりすぎると難しいやん」


mcRCは頷いた。


「うん」


「応援してくれてる人に頼る」


「でも、頼った瞬間、その人はただの応援する人じゃなくなる」


「そこに作業が生まれる」


「作業が生まれたら、責任も生まれる」


「責任が生まれたら、楽しいだけじゃなくなる」


彼は、自分の言葉に少し驚いたように笑った。


「俺、今けっこうちゃんとしたこと言ってる?」


EGUIが短く言う。


「言ってる」


「褒めた?」


「確認した」


「褒めろよ」


mcRCは笑った。


けれど、wataの言葉はその通りだった。


ファンに頼る。


それは美談にしやすい。


「好きだから手伝いたい」

「推しのためなら」

「無償でもいい」

「力になりたい」


そういう言葉は、熱い。


でも、熱だけで進めると危ない。


熱は、いつか下がる。

疲れは、あとから来る。

言い出せなかった負担は、別の形で漏れる。

好きだったものを、好きでいることが苦しくなる。


それは避けなければならない。


mcRCは、静かに言った。


「リバクラを好きでいてくれる人に、リバクラを嫌いになる理由を作りたくない」


wataの表情が変わった。


EGUIも、目を細める。


その言葉は、かなり本音だった。


mcRCは続けた。


「手伝ってくれるのはありがたい」


「でも、負担が見えないまま増えたら、その人たちがしんどくなる」


「しんどくなっても、好きだから言えなくなる」


「言えなくなったら、いつか苦しくなる」


「それは嫌だ」


wataは小さく頷いた。


「それ、ちゃんと言おう」


EGUIも言った。


「最初に」


mcRCは頷いた。


「言う」


そして、ホワイトボードを引き寄せた。


前回、EGUIが書いた文字がまだ残っている。


任せられる人がいる


その下に、mcRCは新しく文字を書いた。


任せるための線


wataが、少しだけ口元を上げた。


「タイトルっぽい」


EGUIが言う。


「今日はそれやな」


mcRCはマーカーを握り直した。


「まず、音楽」


ホワイトボードに、大きく書く。


音楽は三人で決める


wataがすぐに言った。


「これは絶対」


EGUIも頷く。


「外せない」


mcRCはその下に書く。


声は受け取る

コメントも見る

反応も参考にする

でも曲の芯は三人で決める


wataが言う。


「芯って言い方、ええな」


EGUIが補足する。


「曲のテーマ、順番、誰の視点で歌うか、最後に何を渡すか」


mcRCが頷いて書き足す。


テーマ

視点

構成

最後に渡すもの


wataは椅子を少し前に出した。


「でもさ、前職勢がコメント分析するなら、そこから曲が生まれることはあるやん」


「ある」


mcRCはすぐに答えた。


「そこは閉じない」


EGUIが言う。


「声を拾うことと、判断を渡すことは違う」


mcRCはその言葉をそのまま書いた。


声を拾うことと、判断を渡すことは違う


wataが拍手した。


「今の、EGUI語録」


EGUIがすぐに言う。


「いらん」


「いや、これはいる」


「いらん」


「部長語録に対抗してEGUI語録作ろうぜ」


「作るな」


mcRCは笑いながら、ホワイトボードの文字を見た。


EGUIの言葉は、たしかに今の話をかなり正確に言っていた。


声は拾う。


それがリバクラの始まりでもある。


ORDERも、NO FAKEも、SAY IT TO MEも、CALL ME OUTも、コメント欄や誰かの声から生まれている。


リバクラは、自分たちだけで閉じたグループではない。


でも、声を拾ったあと、どう歌にするかは三人で決める。


そこを渡すと、リバクラの芯が曖昧になる。


次に、mcRCは書いた。


作業範囲


wataが資料を見ながら言う。


「物販、告知、権利、外部連絡、庶務」


EGUIが続ける。


「問い合わせ分類、発送補助、予定整理、コメント分析」


mcRCが書く。


物販企画

告知販促

権利・提出物確認

外部連絡

庶務整理

問い合わせ分類

発送補助

コメント分析


書いているうちに、右側がどんどん埋まっていく。


wataは、少しだけ肩を落とした。


「これ、今まで俺らでやってたんよな」


mcRCは頷いた。


「やってた」


EGUIが短く言う。


「曲が減るわけや」


その一言は、重かった。


曲が減る。


時間がないから。

体力がないから。

通知を見てしまうから。

返信を後回しにすると申し訳ないから。

発送ミスが怖いから。

次の予定を確認しないと進めないから。


それで、歌詞を書く手が止まる。


ビートを聴く時間が削れる。


三人だけで話す時間が細切れになる。


それが続けば、リバクラは活動しているのに、リバクラの曲が弱くなる。


本末転倒だった。


wataは、ぽつりと言った。


「俺ら、音楽守るために手放すんやな」


mcRCは頷いた。


「うん」


EGUIが言う。


「抱えることが誠実とは限らん」


wataがEGUIを見る。


「また語録出た」


EGUIは無表情で返す。


「今のは普通」


「普通にいいこと言うのやめろ」


mcRCは笑いながら、その言葉も書こうとして、EGUIに止められた。


「書くな」


「なんで」


「恥ずかしい」


wataが即座に言う。


「恥ずかしがるタイプなんや」


「うるさい」


少しだけ空気が軽くなった。


mcRCは、次に書いた。


お金


三人とも、少し黙った。


いちばん避けたくて、いちばん避けてはいけない話だった。


wataが、椅子の上で姿勢を直した。


「ここ、ちゃんとやらなあかんな」


mcRCは頷く。


「うん」


EGUIが言う。


「無償美談にはしない」


「しない」


mcRCは、資料を見ながら書いた。


実費は記録

備品費はリバクラ負担

交通費は要相談

継続作業は協力費を設定

物販利益から運営補助費枠

作業が重くなったら見直し


wataが腕を組む。


「最初からがっつり払えるかって言うと、まだ難しい」


mcRCが頷く。


「うん」


「でも、払えないから無償でっていうのは違う」


「うん」


「じゃあ、まず実費と記録」


EGUIが続ける。


「金額が大きくなったら、やる前に相談」


mcRCは書き足す。


費用が出る前に相談


wataが言った。


「あと、時間もやな」


mcRCが見る。


「時間?」


「うん」


wataは少し真面目な顔で言った。


「お金出てない作業って、時間が見えなくなるやん」


「一時間だけのつもりが、三時間やってたとか」


「夜だけって言ってたのに、休みの日も触ってたとか」


「そういうの、たぶん積もる」


mcRCは、ゆっくり頷いた。


それは、本当に重要だった。


Yuiの言葉が戻ってくる。


誰か一人が頑張る形にすると、その人から崩れます。


mcRCは書いた。


作業時間も記録する


EGUIが頷く。


「大事」


wataが言う。


「それで、時間かかりすぎてたら俺らが止める」


「うん」


mcRCは書き足した。


無理していたら止める


そこまで書いて、wataがふっと笑った。


「なんか俺ら、初めて人を雇う前の中小企業みたいになってる」


mcRCは苦笑した。


「雇うとは違うけどな」


EGUIが言う。


「でも、責任は近い」


「そう」


mcRCは頷いた。


「人に何かを頼む時点で、責任はある」


次に、mcRCは書いた。


情報管理


Saraの顔が浮かぶ。


個人情報。

会場情報。

メール。

名前。

住所。

発送先。

未公開の曲。

未発表の予定。

数字。


リバクラが大きくなるほど、扱う情報も増える。


そして、情報は一度漏れたら戻らない。


wataが言う。


「ここはSaraにかなり頼ることになるな」


mcRCは頷いた。


「でも、最終責任は俺ら」


EGUIが言う。


「未発表のものは出さない」


mcRCは書く。


未発表情報は出さない

住所・氏名など個人情報は限定管理

SNS投稿前に確認

切り抜き許可範囲を明文化


wataは、少し嫌そうに顔をしかめた。


「このへん、ほんま現実やな」


EGUIが言う。


「現実を見ない活動は続かん」


「mcRCみたいなこと言うやん」


mcRCが笑う。


「今のは俺が言いそう」


EGUIは少しだけ肩をすくめた。


「感染した」


「感染扱いすな」


そのあと、少し沈黙があった。


ホワイトボードには、いくつもの線ができている。


音楽。

作業範囲。

お金。

情報管理。

時間。

断れる線。


三人は、それを黙って見ていた。


きれいな夢ではない。


けれど、夢を続けるための現実だった。


wataが、ふと口を開いた。


「でもさ」


mcRCが見る。


「うん」


「ここまで決めたら、受ける方向やんな」


mcRCは、すぐには答えなかった。


EGUIも、mcRCを見る。


部屋の外では、夜の車が通る音がした。

少し遅れて、どこかのビルの自動ドアが開くような音。

街は、ライブが終わっても普通に動いている。


リバクラボの中だけが、まだあの夜の続きにいた。


mcRCは、ホワイトボードの文字を一つずつ見た。


任せられる人がいる。

任せるための線。

音楽は三人で決める。

声を拾うことと、判断を渡すことは違う。

実費は記録。

作業時間も記録。

無理していたら止める。


その全部を見てから、彼は言った。


「受けたい」


声は小さかった。


でも、はっきりしていた。


wataは頷いた。


「俺も」


EGUIも言う。


「俺も」


三人の返事は、派手ではなかった。


拳を合わせるわけでもない。

叫ぶわけでもない。

音楽が鳴るわけでもない。


でも、その瞬間、リバクラは少し形を変えた。


三人だけで立つグループであることは変わらない。


ただ、その三人が立つ足場を、横から支える人たちが現れた。


mcRCは、スマホを手に取った。


Kateに連絡する画面を開く。


すぐには打たない。


wataが言う。


「送る前の文章は内臓やっけ」


EGUIが真顔で頷く。


「見るな」


wataが両手を上げた。


「見ません」


mcRCは少し笑った。


それから、文章を打ち始めた。


一文字ずつ。


軽くならないように。

硬くなりすぎないように。

受け取るけれど、丸投げしないように。

感謝するけれど、都合よく扱わないように。


送る文章は、長くなった。


けれど、短くはできなかった。



今日はありがとうございました。

三人で話しました。


まず、手伝いたいと言ってくれたこと、本当にありがとう。

正直、かなり助かります。


ただ、お願いするなら、ちゃんと線を引きたいです。


音楽の芯は三人で決めます。

でも、コメントや反応や現場の声は、これまで通り大切に受け取ります。


物販、告知、提出物、外部連絡、庶務整理、問い合わせ分類、発送補助、コメント分析などは、相談しながらお願いしたいです。


お金と時間も曖昧にしません。

実費や作業時間は記録しましょう。

継続的な負担が出るなら協力費を決めます。


無理な時は、本当に無理と言ってください。

こちらからも、無理していそうなら止めます。


好きでいてくれる人に、好きでいることが苦しくなる形にはしたくないです。


その上で、改めてお願いします。


Reverse Crownを、横から支えてください。



mcRCは、最後の一文で少し止まった。


横から支えてください。


それでいいのか。


上からでも、下からでもない。

裏からでもない。

横から。


リバクラらしい言い方だと思った。


wataが、見ていないふりをしながら言った。


「最後、ええやん」


mcRCは振り返る。


「見た?」


「見てない。空気で分かった」


EGUIが言う。


「それは見たやつの言い訳や」


「見てないって」


mcRCは苦笑しながら、送信した。


数秒。


既読がついた。


wataが目を丸くした。


「早」


EGUIが言う。


「待ってたな」


mcRCは、スマホを机に置いた。


すぐに返信が来た。


Kateからだった。


ありがとうございます。

五人で確認しました。

こちらこそ、よろしくお願いします。

無理な時は無理と言います。

でも、できることは全力でやります。


横に行きます。


mcRCは、その最後の一文を見て、少しだけ目を閉じた。


横に行きます。


たぶん、Kateたちは分かっている。


いや、分かろうとしてくれている。


リバクラが大切にしてきた距離感を。


上下ではなく、横へ。


命令ではなく、合図へ。

支配ではなく、協力へ。

押しつけではなく、手渡しへ。


wataが、スマホを覗き込まない距離で聞いた。


「なんて?」


mcRCは、画面を見たまま答えた。


「横に行きます、って」


wataは少し黙った。


それから、短く笑った。


「……ええやん」


EGUIも頷いた。


「ええな」


その時、もう一つ通知が来た。


Miwaだった。


追伸。

リバクラブ番号の件ですが、まだ揉めています。


wataが、我慢できずに吹き出した。


「そこまだ揉めてんのかい!」


mcRCも笑った。


EGUIが真面目に言う。


「重要やからな」


「お前、ほんまに番号の重要性を認めてるやん」


「最初の五人やろ」


「急に重くするな」


さらに通知。


Nina。


投票制にする案が出ましたが、全員自分に投票しそうなので却下されました。


wataは机を叩いて笑った。


「民主主義崩壊!」


Sara。


番号の法的問題はありませんが、感情的問題が大きいです。


EGUIが、珍しく口元を押さえた。


「感情的問題」


Yui。


議題:リバクラブ番号一〜五の決定方法

状態:未決

次回持ち越し


mcRCは、ついに声を出して笑った。


疲れていた。


ずっと、疲れていた。


ライブの疲れ。

成功の余韻。

数字の圧。

問い合わせの多さ。

誰かに頼ることへの怖さ。


それらが、全部なくなったわけではない。


でも、いま部屋にある笑いは、その重さを少しだけ軽くした。


wataは、笑いながら言った。


「めちゃくちゃ頼もしいのに、番号で揉めてるの最高やな」


EGUIが頷く。


「人間味がある」


mcRCは、スマホを机に置いた。


ホワイトボードを見る。


任せるための線


その文字の下に、彼はもう一つ書き足した。


横に来る人たち


wataがそれを見て、少しだけ目を細めた。


「これ、曲になりそうやな」


mcRCは笑った。


「すぐ曲にするな」


EGUIが言う。


「でも、いつかなる」


mcRCは、マーカーのキャップを閉めた。


「かもな」


その夜、リバクラボラトリーの机はまだ散らかっていた。


売上表もある。

物販残数もある。

発送予定リストもある。

客席アンケートもある。

新川からの報告書もある。

リバ点呼のカードも、READYタオルのサンプルも、赤ペンも、養生テープも、黒いマーカーもある。


何も消えてはいない。


やることは、まだ山ほどある。


でも、見え方が変わった。


それは、ただの山ではなくなった。


分けられる山になった。


登る順番を決められる山になった。


誰かと声をかけ合いながら進める山になった。


wataは、椅子の背もたれに体を預けた。


「なあ」


mcRCが見る。


「何」


「これでさ」


「うん」


「曲作る時間、戻るかな」


その言葉に、mcRCは少し黙った。


戻る。


完全には戻らないかもしれない。


活動が大きくなれば、また別の仕事が増える。

新しい問題も出る。

人が増えれば、考えることも増える。


でも、少なくとも今日、三人は一つ選んだ。


全部を抱え続けないこと。


音楽を守るために、音楽以外をちゃんと分けること。


mcRCは言った。


「戻す」


wataが、少し笑う。


「言い切るやん」


EGUIが短く言う。


「戻さないと意味がない」


mcRCも頷く。


「うん」


そして、三人はしばらくホワイトボードを見ていた。


任せられる人がいる。

任せるための線。

横に来る人たち。


その三つの文字が、夜のリバクラボラトリーに残っている。


窓の外では、仕事帰りの街が少しずつ静かになっていた。


でも、ここはまだ終わっていない。


むしろ、ようやく始まった。


三人だけで全部抱える夜は、少しずつ終わっていく。


三人で歌うために。


三人で考えるために。


三人で、次の音を作るために。


リバクラは、最初の組み直しを始めた。

mcRC「この小説の歌は実際に聴けるから、聴きながら読んでみてくれよな」

聴く場合はこちら:

コピペしてブラウザに貼り付けて、、、。とぶぞ。


feel

https://youtu.be/vIFok9cHBFo?si=BltKDciOFT-jbGts


that’s live with DJ BEEF

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https://youtu.be/HMrHGZu5vGM?si=68GTUXr0zvZq1b0W


no easy peace with DJ BEEF

https://youtu.be/tD71bFU1yBA?si=NjinWgSexnojMWrK


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https://youtu.be/YYKz7xZNQ98?si=bLTnhd_RQNudNToF


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https://youtu.be/00k3jQ3UZXk?si=Hlg_DZCcdBnAZ4cR


リバクラチャンネル 全曲、過去曲

https://youtube.com/@revecro?si=Qj6kLxP2cwp1GXFX

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